乳房 講談社文庫

伊集院静【著】

• 内容紹介: 内容:くらげ.乳房.残塁.桃の宵橋.クレ-プ
• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 1993/09/15
• JAN: 9784061855175

商品レビュー

2010/05/28

何処までも淡く、せつ…

[文庫ＯＦＦ]

何処までも淡く、せつなく、それでいて強く記憶に残る、恋と失われた日々の物語。心に染み透るような美しい日本語を表現できる作家は少ない。「乳房」ほか珠玉の4編。

2025/04/06

断じて言う、タイトルに惹かれて読んだのではない。

それぞれ短編だが読みやすい。

癖がない感じ。

もう一度言うが、タイトルに惹かれてなどいない。

2024/11/24

今日は　伊集院さんのご命日
昨年、直木賞の「受け月」を読んだ時
みんみんとゆーき本さんに次に読みたい伊集院静
として推していただいた

1991年第12回吉川英治文学新人賞受賞作
「乳房」
と他4編の短編集

文体からか、人物設定からか
リアリティがありすぎて
創作か私小説かその境界的な小説と思う

「乳房」
乳癌で入院している妻を見舞う夫
創りすぎない病室での会話
悲しさを言葉に出さない切なさ
どうしても夏目雅子さんを思い出す
仕事をセーブして看病する夫

「残塁」
大学野球部の同級生と20年ぶりに会う
当時を思い出していく
正直なところ大学野球部の上下関係からくる
暴力行為にウンザリしました
そこを読み切れば面白い記憶が読めます

「クレープ」
離婚し妻に引き取られた娘と
高校入学を期に会うという話
父であった男の不器用さと緊張

「くらげ」
海で行方不明となった弟を探す兄
無数のくらげに思う弟の行方

「桃も宵橋」
売春防止法直後くらいの娼家営業
やめさせたい娘と
それにより生計を立てる女達