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深沢七郎の滅亡対談 ちくま文庫
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深沢七郎の滅亡対談 ちくま文庫

深沢七郎【著】

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深沢七郎の滅亡対談 ちくま文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房/
発売年月日 1993/12/06
JAN 9784480028365

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商品レビュー

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2014/07/20

1958年から60年代、つまり深沢七郎が『楢山節考』を発表してから埼玉で農業を始める辺りまでの期間をフォローする対談集である。 対談の相手というのが、文学者・歌手から山下清、動物園の園長、新興宗教の教祖、三味線弾き、赤帽創始者の子息である運送業者など、滅茶苦茶な人選なのが面白い。...

1958年から60年代、つまり深沢七郎が『楢山節考』を発表してから埼玉で農業を始める辺りまでの期間をフォローする対談集である。 対談の相手というのが、文学者・歌手から山下清、動物園の園長、新興宗教の教祖、三味線弾き、赤帽創始者の子息である運送業者など、滅茶苦茶な人選なのが面白い。しかも、さすが文壇で「馬鹿」と呼ばれた深沢七郎、誰と話してもリラックスした世間話の趣で、文学論などはほとんどない。 これを読んでみても、彼の人間的特質が浮き彫りにされてくる。 私が深沢七郎に非常に惹かれるのは、彼の考え方・世界観・生き方が、私に対する強烈なアンチテーゼとなっているからだ。彼は「衝撃的な他者」なのだ。どんなに憧れても、決して彼のようにはなれないという確信が、私を痺れさせる。 そしてこの隔絶した世界には、素朴でナチュラルな真実の言葉が満ちあふれている。 「日本人ってのが、悪い考え方してる民族だからね。こないだ小林弘が負けたボクシング見たけど、あれはスッとしたね。勝つと困るよ。・・・観衆まで自分が買った気になっちゃう。そいで、たちまち日本民族は優秀だなんて思っちゃう。」(p397) これなんか、歴史が浅くまだ全然強くもない日本のサッカーに先日もやたら期待して、熱くなって見ていた日本人に贈りたい言葉だ。 「そう、人類全体が多すぎるの。人間なんか地球に生きてない方がいいんだから。生きてるからヘドロモドロなんてことになる。・・・地球のために一番いいんだよ、人間がいなくなるのが・・・。」(p397) この完全なニヒリズムは、たとえばニーチェのような、優れた者=自己だけを救い出そうというような浅ましさからも脱却しており、仏教的な静かさに到達しうる境地である。私は決して、こんなところまでたどり着けない。 そんな深沢七郎は若い頃からギター弾きとしても活躍していたが、彼の愛する音楽は広義の民俗音楽であって、あくまでも大衆と共にあるものだ。 「私はベートーベンとか、ああいう人たちの音楽は悪魔の音楽じゃないかと思うんです。邪道な感じですね。音楽で何か表現しようとするから、無理なんです。リズムで、ただ音をきかせるのが音楽で、何かあらわそうとするのは卑怯というか、悪い考えじゃないですか。」(p348) とはいえ、彼は常に自己を世界の最下層の、無意味な存在と見なしているのであって、決して他者を断罪する権利を主張するわけではない。すべては<無>へと回帰するまなざしなのだ。 この希有な人間の希有な書物を、もっともっと読んでみたいと思っている。

Posted by ブクログ

2014/04/14

ギター奏者でありながら40代を過ぎて「楢山節考」で文壇にデビュー、「風流夢譚」事件を経て埼玉・菖蒲でラブミー牧場をはじめ、晩年は草加にも住んでいたらしい。作家の枠におさまらない数奇な人生。 対談相手も文壇の大家にとどまらず、新興宗教教祖や芸者、瞽女など多彩。

Posted by ブクログ

2014/03/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人類滅亡教教祖にして「クソ」の深沢による対談。作家や文化人との対談ではあえて下世話な方向にもっていこうとするが、非インテリとの対談では常識的な聞き手に回っているようにも見える。 例えば殿山泰司との対談で「スチュワーデス殺しとカトリック」という言葉があるが、朝倉恭司の本を読んでなかったらこれが当時世間を騒がせた事件のことを指していることがわからなかった。多分そうした時事的なコメントやスラング的な言葉がかなりあるのだろうが、注釈が無いので読み飛ばすほか無いのはもったいない。手間はかかるのだろうが、文庫化に際してはそうした丁寧な編集も期待したいというのは厚かましい読者だろうか。

Posted by ブクログ

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