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子犬のロクがやってきた せかいのどうわシリーズ
定価 ¥1,540
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 1991/11/06 |
JAN | 9784001159646 |
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子犬のロクがやってきた
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子犬のロクがやってきた
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商品レビュー
3.5
3件のお客様レビュー
2024.10.20市立図書館 中川李枝子さんの訃報に接し、夫の中川宗弥さんも2年前に永眠なさってたと知り、「ももいろのきりん」同様に御夫婦でつくられた本をもう一冊読んでみることにした。図書館にも追悼コーナーができていて、なじみぶかい本はほとんど出払っていたが、ちょっと古めかしい...
2024.10.20市立図書館 中川李枝子さんの訃報に接し、夫の中川宗弥さんも2年前に永眠なさってたと知り、「ももいろのきりん」同様に御夫婦でつくられた本をもう一冊読んでみることにした。図書館にも追悼コーナーができていて、なじみぶかい本はほとんど出払っていたが、ちょっと古めかしいこの本が残っていた。 小学三年生の男の子がいる一家が行き場のない子犬を飼い始めたというこのお話は、お父さん(中山宗平)は画家、お母さん(花子)は童話作家となっていて、かなりの部分が実体験に基づく(ほぼ同時進行形)らしい。ちょうどしばらく前からSNSで某社会学者が雑種の子犬を家に迎えた様子をずっと見てきているので、子犬の世話の大変さもあっというまに大きく強くなっていく様子もそれと重なる部分が多くて、手に取るように伝わってくる。そしてかつてわが実家でも父と小学生の弟が拾ってきた犬がだいじな家族の一員になった思い出があれこれよみがえる。 「入院するっているのに、だれもついて行かない⋯ロクは親なし子で、子どもも生めなくなるんだ⋯そんなの、かわいそうだあ」と泣く少年の心のやさしさに打たれた。少年の成長ぶりと家族が心を合わせて子犬を家族にむかえいれていく様子がさわやかで、結びの三者三様のセリフもすてきだった。 91年版は装いを改めた復刊で、元は1979年にでている(初出は1972年6月から1973年6月まで『PHP』に連載)。50年以上前(犬はだいたい外飼で繋ぎっぱなしの番犬)の当時としては進んだ飼い方なので、今読んでも違和感はほぼない。夫婦親子がおたがいを尊重しあえる家庭で新入りの犬もちゃんと尊重されるのがさすが中川李枝子さんだと思う。 中川宗弥さんの鉛筆の黒+茶・オレンジだけの挿絵も、まさにわがやの犬の姿を愛情深く見守ってそのさまざまな姿をていねいにとらえて描かれたもので、とてもよかった。
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中川李枝子さんを偲んで。 本書は「ロクのはなし」として、1972年6月から翌年の6月まで雑誌「PHP」に連載したのを「岩波ようねんぶんこ」として書き改めたものの新装版になります(1991年)。 中川李枝子さんのあとがきによると、ここで登場するロクは実際に李枝子さん一家...
中川李枝子さんを偲んで。 本書は「ロクのはなし」として、1972年6月から翌年の6月まで雑誌「PHP」に連載したのを「岩波ようねんぶんこ」として書き改めたものの新装版になります(1991年)。 中川李枝子さんのあとがきによると、ここで登場するロクは実際に李枝子さん一家が飼われていた犬とのことで(物語が100%事実なのか気になり、調べてみたが分からなかった)、ある日、ふとしたきっかけから突然やって来た、ロクが巻き起こす騒動が読んでいてなんとも温かく、物語でお母さんが『ロクのいないせいかつなんて、かんがえられないわ』と言いたくなる気持ちは、犬を飼ったことのない私にもひしひしと伝わってきた、まさに家族そのものの存在感であった。 最初に息子の「一郎」がロクを連れてきた時のお母さんの反応が楽しくて、「しまった! 見るんじゃなかった」とは言ったものの、先にお父さんを説得したことや、周りの子どもたちの真剣な様子を見て、「まいった!」、「わたしひとりが、だめとはいえないわ」と降参し、家族の一員になったロクは、初めて与えた牛乳をおすわりしたまま飲むのを見て、「ぎょうぎがいい!」と皆がほめるものの、庭を走り出した時にすぐ足が開いて転んでしまう姿に、生まれた当時に何かあったのではと気になる点もあった。 しかし、ロクはそうした懸念を全く気にしない元気な女の子で、最初の夜にお父さんが即席で作ったダンボール箱のベッドに寝なさいと言っても、クンクンしながらむっくり起き上がって、暗がりに真っ黒けの顔がぼんやり浮かんだ中にオレンジ色に光る目が二つあるのを見て、お母さんは「おかしな犬!」とふきだし、お父さんは「もう知らん」とさじを投げる中、一郎が「こうやって、ねるんだよ」と、うつ伏せになって実演したら、その途端箱からパッと彼の背中に飛び乗って髪の毛にじゃれついたから、一郎は「たすけて!」と悲鳴をあげざるをえなかった、そんな大騒ぎの末にやっと大人しくベッドに入ったロクを見て、大変だけれども何か良い光景だなと感じられた。 その後もロクの食いつき癖が中々直らず、皆の手足があざだらけになったり、他の飼い犬と交流することで誰とでも人懐こく接するようになったりと、元気一杯に思われた中でロクの診療医師は「おとなしすぎる」と言われたことに、犬というのは人間に対してとても忠実な印象を持っていたものの、本書を読むことで犬も人間の子ども同様、思い切り自由奔放でいることが大切なんだなということを実感することができた。 そんな本書の絵を描かれているのが李枝子さんの夫、中川宗弥さんであり、その色鉛筆で淡々とありのままを描いた素朴感あふれる絵だからこそ、彼がずっと家族の一員として共に過ごしてきたロクへの愛を感じられた、それは彼が描くロクのエピソードが、とてもささやかな出来事である点も同様で、それは永井先生が来たときに例のごとく、ブロック越しに背伸びをして、しっぽをふって出迎える様子や、帰ってきた一郎が怪我をしていたことをまるで分かっているかのように、飛び付かず静かに彼の顔をなめまわすロクに、元旦に家族全員シャンペンで乾杯した時、ロクもテーブルの前にきちんと座ったものの、アルコールが大嫌いだったため、お父さんがグラスを差し出した時に顔を背ける仕種など、その日常生活に於いて、ロクの存在がいかにかけがえのない大切なものであったのかが、宗弥さんの素朴な絵からストレートに伝わってきて、私にはそれらの絵が、まるでロクと過ごした想い出の写真の一枚一枚であるようにも思われたことから、本書は中川さん一家がいつまでも残しておきたい、大切な家族の一員の記録なのだと感じられたのである。
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中川家にやってきた子犬の本当の話だそう。そのためか、フィクションの様に劇的なドラマはないのですが、やんちゃな子犬と家族のハプニング。そんな中でも子犬を思う子どもの懸命さが描かれています。読んだ子ども達も、きっと一緒になってロクを思うのでしょう。
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