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日本のやきもの(7) 仁清・乾山・頴川・木米 講談社カルチャーブックス50
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 1992/05/20 |
JAN | 9784061980440 |
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日本のやきもの(7)
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えっと、タイトルはすべて人名です。読めますか・・・? 順に、にんせい、けんざん、えいせん、もくべい。 いずれも京焼の陶工です。 野々村仁清はいわゆる京都らしい華麗で典雅な焼物、京焼を完成させた人です。1647年頃に仁和寺に窯を開いたと言われています。本名は清右衛門。「仁」和寺の...
えっと、タイトルはすべて人名です。読めますか・・・? 順に、にんせい、けんざん、えいせん、もくべい。 いずれも京焼の陶工です。 野々村仁清はいわゆる京都らしい華麗で典雅な焼物、京焼を完成させた人です。1647年頃に仁和寺に窯を開いたと言われています。本名は清右衛門。「仁」和寺の「清」右衛門で仁清、ですから「じんせい」とは読まず「にんせい」です(←自分もこれでようやく定着(^^;A))。 現在にいたるまで、仁清写と呼ばれる仁清の焼物を真似た焼物が、数多く作られています。王朝趣味の雅な焼物は後水尾帝を中心とする公家衆に大いに珍重されたようです。京焼には非常に重要な人物ですが、実はその生涯や人物に関してはあまり知られていません。 陶作の上で、この仁清の弟子に当たるのが尾形乾山。異才、尾形光琳の弟です。乾山と光琳の合作の焼物というのも数多く残されており、乾山が光琳の絵に賛(詩などの言葉)を添える形式のものがよくあります。おもしろいのは、乾山が焼物には素人である光琳が絵を描きやすいようにと、平らな額のような皿を作ったという点。ただ、こうした形の皿は高温で焼くとひずみやすい。必然的に低温で焼かざるを得なくなります。ところが、低温で焼いた皿は割れやすい。食器としての実用性は著しく下がります。そして一面に見事な絵と詩、となれば、料理を盛って使うというよりは、鑑賞用の色合いが強い作品群ということになります。 さて、時代が下って江戸後期。化政年間に京焼の第二期黄金時代が訪れますが、その礎を築いたのが奥田穎川。穎川の先祖は明末清初の中国からの帰化人とも言われており、質業を営む奥田家に養子に入る前は、穎川姓を名乗っていたとのこと。これは中国の穎川県にちなんでいるようです。呉須赤絵と呼ばれる中国磁器の一種を初め、交趾(こうち:ベトナム風焼物)で知られています。奥田家が素封家であったため、財をつぎ込んで陶芸に没頭することが出来たようです。京焼に磁器を導入したこと、木米を初め、優れた弟子を育てたことが大きな功績とされています。 青木木米は穎川を師とし、文人趣味の作品を多く残した人です。文化年間には、加賀前田藩に招聘され、金沢・春日山窯を指導して、九谷焼再興に力を尽くしました。京に戻って後は、頼山陽を初めとする多くの文人墨客と交流して、芸域を広めていきました。木米は実家も木屋町の茶屋で、裕福であったのですが、娘が豪商の妾となるなど、パトロンに恵まれたのも、作陶に打ち込む上で、大きな原動力になったようです。下世話なことをいっては何ですが、やはりこういうものにはおカネが掛かるのでしょうね・・・。 本書はこうした陶工たちの代表作の写真に加えて、生涯・作品の解説が添えられた形。薄いですし、初心者向けには手頃だと思います。 *どうしてこのようなものを読んでいるかといえば、お茶の関係でして。今月は亥の月(旧暦十月)にあたり、亥の月・亥の日は、亥子餅と呼ばれる餅を食べ、茶道ならば炉開きをし、一般家庭も炬燵を出すなどの習わしがあるとのこと。亥の日はまた、宮中では玄猪包を天皇が下賜される日でもあるそうです。亥の月・亥の日は通常、3回あります。餅(に加えて、一の亥には菊としのぶ、二の亥には紅葉としのぶ、三の亥は銀杏としのぶ)を紙で包み、折敷に載せ、水引で結び、銀杏の葉を指すということになっているようです。この玄猪包を象った香合というのが、仁清作で非常に有名なものなのだそうです。玄猪包の風習をもうちょっとよく知りたいなと思ったわけです。 ・・・というところを辿って、仁清。なのですが、この本には玄猪香合は本文にさらりと「こういうものもある」と触れられているだけでいささかずっこけ。 これは辿り方が悪かった(いやまぁ、焼物についても知らなかったのでこの本はこの本でよかったのですが)。宮中の風習について、詳しい方、もしもこんな本に出てたよーというのがあれば教えて下さいm(__)m。 *この講談社カルチャーブックスというシリーズは、もう刊行されていないようですね。大半が中古でしか入手できない模様。
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