「復活」の超発想 日本から新地球経済の提案

糸川英夫【著】

• 販売会社／発売会社: 徳間書店/
• 発売年月日: 1992/10/31
• JAN: 9784195149973

商品レビュー

2010/05/28

まずは日本から発信し…

[文庫ＯＦＦ]

まずは日本から発信していくという考えがいい。

2013/10/19

・もうひとつ、私のびっくりしたことがある。個別的な研究に関して、それぞれの分野での先鞭をつけた研究は、けっして歴史的寄与の度合いで測らずに、その”独創”ということで測られ、それがどの国の誰によってであるかを、きわめて詳細に記録してあったことだ。
（ケンブリッジ大学では先人の研究プロセスを物語る実験材料やモデルが保存してある。それで、ああ、ここではシステムが違うのだな、と思った。）

・が、分かってしまうと、次に取り組むべき目標は、かんたんだ。名匠たちが生み出したバイオリンが、それら四つの音を完全にクリアしているかどうかを調べてみればいい。しかし、いまなら時価数千万円も二億円もする名器の音に、戦後いくばくもないハチャメチャな時期にあって、どうすれば接する、ことができるか。
HOWの現場のむずかしさは、技術者の方なら、職場でよく知っていることだが、こういうところにあるのだ。

・日本と日本民族が持っている特性については、多くの人がいろいろなことを述べていて、私たちもひととおり知っている。
資源のない国であること、山が多くて可住面積が少ないこと、勤労意欲に富み集団の結束力がつよいこと、単一民族であること…その他もろもろ。
だが私は、日本民族の特性は次の三つであると思う。
ひとつは、日本の歴史上、奴隷制度を持たなかったということ。そのために、すべての人のなかに、働くこと・仕事をすることに対する軽蔑意識がない。
…第二は日本語の言語的特色。
…第三に、日本には「星文化」がないということだ。
七夕の”織姫・牽牛”は中国渡来の伝説によるもので、日本固有ではない。明けの明星とか、宵の明星などとはいうけれども、星座にはまったく無関心だった。その星文化の欠如が、じつは形を変えて日本文化の繊細さを生んだ。
→この、三つなんだ！面白い。

・牧畜の民（ノマド）とか航海に従事してきた民族は、おのずから星の位置を確かめざるを得ない。生死がかかっているからだ。
だから、不動の星・北極星も発見したし、占星術も発達した。星にまつわるさまざまな伝承・伝説も生んだ。こうして、生活に密着した星文化が生まれた。

・日本人の失語症患者は仮名書字のみ、または漢字書字のみを読むことができる。
…画を見る速さと、「文字」を「読む」スピードにはたいへんな差がある。だから日本人は、新聞でも手紙でも「ナナメヨミ」が可能である。画である漢字を一瞬のうちに「読む」のでなく「見る」からである。
したがって、同じ書物を英文のをアメリカ人学生に与え、日本語訳のを日本人学生に与えると、日本人学生のほうが五倍から十倍のスピードで読むことができる。