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津軽 失われゆく風景を探して
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津軽 失われゆく風景を探して

アランブース【著】, 柴田京子【訳】

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津軽 失われゆく風景を探して

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社/
発売年月日 1992/10/20
JAN 9784105253011

津軽

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2024/08/31

『ニッポン縦断日記』から11年経った1988年に、太宰治が1944年に『津軽』を書くために訪れた津軽地域を、太宰の足跡をトレースして歩いたことを書いたもの。 太宰が出版社の依頼で津軽探訪記を書くはずが結局自分語りをしているのと同様に、アラン・ブースも『津軽』を追いながら自分のこ...

『ニッポン縦断日記』から11年経った1988年に、太宰治が1944年に『津軽』を書くために訪れた津軽地域を、太宰の足跡をトレースして歩いたことを書いたもの。 太宰が出版社の依頼で津軽探訪記を書くはずが結局自分語りをしているのと同様に、アラン・ブースも『津軽』を追いながら自分のことを語る。 とはいえ、序盤はまだそんなに逸脱してはいない。都度都度「ここについて太宰はこう書いている」的な記述を織り交ぜる。そして、太宰が津軽をふらついているのと同時期にインパール作戦が行われていたことや、太宰と1歳違いの高橋竹山(初代)の苛烈な人生について書いたりする。 木造の旅館で従業員がどこにもいないと思ったら旭富士が横綱昇進に向けて14日目で北勝海に勝つ(12勝目)場面に遭遇する(昭和63年夏場所)。 そういった地方都市の盛り上がりの場における地元の人々と会話を描くのがうまい。 鯵ヶ沢、深浦と歩を進め、太宰はそこから乳母に会うために小泊に向かうのだが、ブースはそれを後回しにして嶽温泉、弘前、大鰐、青荷と進んでいく。 このあたりは当初の趣旨から外れるがブースの真骨頂という感じ。 特に、弘前のスナックでスーツの男とカラオケ対決に興じるあたりが面白い。「風雪ながれ旅」で口火を切り、相手が「みちづれ」(牧村三枝子)→ブース「踊子」(三浦洸一)→相手「長崎は今日も雨だった」→ブース「津軽海峡・冬景色」(?)→相手「京都の酒場に心を残してきた、とかいう曲」(なんだろう?)→ブース「東支那海は男の海よ!(これは北島三郎の「漁火」)。 そして「ぼくらはひたすら、ママさんにほめてもらいたかっただけなのだ」。 一応、最後は斜陽館を訪れ、バーで今度は「与作」を歌う(フィリピンから来たホステスは「ラヴ・イズ・オーヴァー」を歌う)。 カラオケのことばかり言及しているが、それ以外の内容もたくさんある。 でも、そういうところが私には面白いのだ。 青森といえば町はずれに浅野セメントの工場があるのが通例だ、的なことを書いているような。 キリがない。このぐらいにする。 …ここまで書いて気付いたが、私は単行本で読んだのだが、文庫版では宮脇俊三の解説がついているとのこと。それは読んでみたいかも。

Posted by ブクログ

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