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ドイツの大学 文化史的考察 講談社学術文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1992/04/10 |
JAN | 9784061590229 |
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ドイツの大学
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商品レビュー
3.7
4件のお客様レビュー
「ドイツの大学はレジャーランド学生と専門研究に没頭する教師との共棲の上に成り立っていた。およそ異質な人種が、ただ大学という場を思い思いのしかたで利用していたところにその特色があった(p293)」 19世紀中葉以降、世界の最先端に躍り出たドイツの大学にはこのような特色があった。さら...
「ドイツの大学はレジャーランド学生と専門研究に没頭する教師との共棲の上に成り立っていた。およそ異質な人種が、ただ大学という場を思い思いのしかたで利用していたところにその特色があった(p293)」 19世紀中葉以降、世界の最先端に躍り出たドイツの大学にはこのような特色があった。さらに、「高等教育のビスマルク」と言われた大学行政官僚アントホーフが君臨していた。 100年以上経った現在、ドイツは「インダストリー4.0戦略」で第4次産業革命を社会実装しようとしている。Society5.0社会を前に、日本の大学はどう行動すべきか考えさせられた。 アメリカの研究大学を創った巨額な寄附はない。限られた予算を政府から持ってこれるアントホーフもいない・・・。 それにしても、修論指導教官の本はやっぱりおもしろい!
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1992(底本1986?)年刊行。著者は名古屋大学大学院国際開発研究科教授。サブタイの文化史的考察が物語るとおり、制度史・教育思想史は後景。19~20世紀初頭にかけて、大学の利害関係人(大学教員・学生・監督官庁の官僚)間の現実の人間関係が生々しく描写される。また、学生や教員の生態や現実の生活も。その意味で、人物評伝とドイツの民衆史を大学という面から切り取ったというべき内容。どことなく、戦後日本の大学(学生運動→大学のレジャー化)の道程を先取っているように解説しているとも(やや出来すぎと思わなくはないが)。 ヘーゲルの立ち位置も、後世から見たそれとはだいぶ異なり、国家・文部官僚・皇帝に利用された「欽定哲学者」と本書では評されるが、この言い回しが揶揄にも聞こえる。結局、パトロン(この場合は国家組織か)がいないと名を成し、あるいは研究成果が流布していかないのかもしれない。また、ナチスの萌芽ともいうべきドイツナショナリズムにも筆が及ぶ。
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読み始めて、読んでも読んでも、大学の様子は描かれていなかった。 とにかく血気盛んなラディカルな学生や若手教師の博士革命といった穏やかでない事象ばかりである。 フンボルト理念の解説から期待していて、まあその前史くらいは読むだろうと予測していたが、見事に裏切られた(悪い意味ではない)...
読み始めて、読んでも読んでも、大学の様子は描かれていなかった。 とにかく血気盛んなラディカルな学生や若手教師の博士革命といった穏やかでない事象ばかりである。 フンボルト理念の解説から期待していて、まあその前史くらいは読むだろうと予測していたが、見事に裏切られた(悪い意味ではない)。 3分の1くらいを読み進めたところで、有資格者の無給の私講師と聴講料の話になってくる。ふむふむ。 そして、学生文化・レジャーランド化・学生組合というコーア文化が高揚したとも書かれている。そのうちケーゼナー・コーアには多数の貴族指定が加入し、高級官僚がこのギルドから巣立ったという。日欧米のどの国でもこの種のコミュニティがあるのだな。 6章までは、どちらかというとあまりポジティブでない話題が多かった。法学博士の学位は価値はなくお金で買えた。官僚の試験とは関係がないため。などの話題も。 7章以降に入り、行政のことが話題になる。 1825年以降の劇的な科学革命は、大学の研究成果による。しかしそれはフンボルト理念の下で「大学の中心的な役割は研究にある」という思想が、新構想のベルリン大学にあり、近代化の成功した。ということではない!なんと観念的な哲学と実証科学は中が悪かったらしい。 つまるところ、1817年の文部省設置により大学行政が中央集権化されたことに大きな要因があるという。教員には研究業績で人事考課するため、学問に対する貢献・新知識の発見が求められた。 高等教育のビスマルクというアルトホーフが上記の人事と大蔵省から獲得した予算を握り、学問大国を治めていたというのが、科学の発展の基盤となっていたのかもしれない。 今の日本で国立大が法人化されたとはいえ、多くの共通点が見いだせるといえる。
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