NFL王者の哲学

ビルウォルシュ, グレンディッキー【著】, 秋元諭宏【訳】

• 販売会社／発売会社: タッチダウン/
• 発売年月日: 1992/11/30
• JAN: 9784924342446

商品レビュー

2013/11/07

近代フットボールの祖。
ウェストコースト・オフェンス（空いているレシーバーに短いパスをこぎ見よく投じる）の生みの親が語る最強組織の作り方。
　スペシャルプレイをする理由、ドラフトで注意する点や良いQBの見分け方など、目からウロコな話、多々・・・。
　中盤は、49ersのHCに就任し、スーパー・ボウルにチームを導き、常勝軍団になるまでが描かれる。
怒涛の勢いで勝ち抜いた81年。
もはや敵なしだった84年。
　だが、もっとも、ページを割いているのは、QB問題が明確になった88年。
チームは背中に爆弾をかかえたエースQB（モンタナ）でいくか、
若く荒削りなプレイをするQB（ヤング）でいくか、選択を迫られる。
　チームは円熟の域に入るが、QBが定まらず、低迷しかけるが、そこから建て直しスーパー・ボウルにまで出場する。
　この年のスーパー・ボウルは、3分20秒、自陣8ヤードからの「ザ・ドライブ」で逆転したのが有名だが、ウォルシュ氏はその劇的勝利よりも、惨敗に文量を割いているのが興味深い・・・・。
格下のレイダースやフェニックスに負けたことで、氏は、HCの職を辞めることを決意する。
その決意は、スーパー・ボウルでベンガルズを下しても揺るがなかった
　”いくら、勝利をしたところで”0”、負ければマイナス”という言葉がまた印象的だった・・・。

エピローグで、元ナイナーズのキャプテン、キース・ファンハーストと再会し、「昔は良かった」と回顧する場面で終わるところに、胸が詰まりました。

2010/10/15

49ERSの名匠の本
戦術を準備して試合に望み、試合の中でいかに修正できるかが強いチームの証である
チームスポーツのすべてに通じることを書いた名著です