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北の愛人
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社/ |
発売年月日 | 1992/02/20 |
JAN | 9784309201788 |
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北の愛人
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商品レビュー
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4件のお客様レビュー
『愛人 アマン』の焼き直しのようではあるが、老年になって再び筆を執ったので、さすが感性が理知にくるまれるとこうなるのか。
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もうひとつの『愛人』。 あの時から幾許かの時が経つた。年を取り、誰かが生まれ、誰かが死んでいつた。 あの時はただ書くことで精一杯だつたが、今は違ふ。苦しみながらも生きてきた。まだ生きてゐる。ここまでやつて来た今ならまた書ける。 『愛人』の時と比べて深く自分の記憶に沈んで漂ふ感じで...
もうひとつの『愛人』。 あの時から幾許かの時が経つた。年を取り、誰かが生まれ、誰かが死んでいつた。 あの時はただ書くことで精一杯だつたが、今は違ふ。苦しみながらも生きてきた。まだ生きてゐる。ここまでやつて来た今ならまた書ける。 『愛人』の時と比べて深く自分の記憶に沈んで漂ふ感じではもはやない。あの瞬間を感じるのではなく、この目で見つめやうとする強固な彼女の文体が息を吹き返す。 『破壊しにと彼女が言う』や『エミリー・L』にみられる強烈なまでの映画的な文体。カメラワークと役者の動きを重視した簡潔だが複雑な文体。この文章をそのまま映像化するとなると、かなりの監督や役者の技量が求められるやうに感じられる。 あふれる性愛と肉欲を撮しながら、そこに横たわる絶望と死を表現することを求められる。 身体中満たされれば死にたくなるやうな恐怖。快楽を知つて何かになつてしまふことに伴ふ死。どこまでもふたりの間に横たわる無限にも等しい孤独。それにもかかはらず、相手を求めずにはいられない焦燥。愛せないとわかつてゐるからこそ、愛してしまふ不条理。求めれば求めるほど乾いてゆく。 それだけを描けばこれは小説となつてゐただらう。けれど、それを見つめるからには時間の流れや空間の隔たりをも含めて見つめなければならない。 インドシナの印象。家族や学校での生活の印象。さうしたものなしに見つめることはできない。何か生きたものを見つめるためには時間と空間の中でなければ見つめることはできない。 ただ、見つめてゐるものが必ずしも史実や地理的事実に基づいてゐるわけではない。彼女の映画はドキュメンタリーではない。歪んだ地理や記述、年号それ自体が彼女の映画なのだ。彼女の感じたままなのだ。だから映画の中ではそれが感じた事実となる。 この作品は死んだ北の愛人でもなければ下の兄でもエレーヌ・ラゴネルでもなく、行方知れずのタンに捧げられてゐる。この作品を映画にしたら誰よりも真つ先にみてほしかつたに違ひない。そして死んでいつたひととの愛を泣きながら話したことだらう。 しかしすでに通り過ぎていつたものはあまりに多かつた。アルコールの心地よい酔いだけが彼女を懐かしいひとびとへの縁となつてゐたやうに思へてならない。それぐらい、大切で愛ほしい記憶だつたのだ。 彼女の描く愛はさういうところで生きてゐる。
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愛人よりこちらのほうが少女が中国人の男に愛を持っていたこともわかるし、読みやすかった。 結婚できなくても、会わなくても、生涯愛し合っていたんじゃないかなと思うとかなり切ないけど、美しい愛だなとおもえます。
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