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ヒロシマから帰った兄
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ヒロシマから帰った兄

マリアン・D.バウアー【著】, 久米穣【訳】

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ヒロシマから帰った兄

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 佑学社/
発売年月日 1992/07/31
JAN 9784841604658

ヒロシマから帰った兄

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2019/08/25
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原爆について、アメリカ側から書いた物語というのは、珍しい。子ども向けだからできた、とも言えるかもしれない。 ストーリーは「戦争もの」と言うより、子ども同士の関係性やいじめの問題も含む。その中に、主人公の兄の存在が、大きく関わってくる。主人公と対立する少年の父も第二次世界大戦帰りで、足を負傷して元の仕事につけないこともあってか、家庭内では酒を呑み、息子をムチで打つ。それでも息子は、父が勲章をもらったことを自慢して、少年たちへ圧力をかけてくる。その対抗意識から、主人公の少年がホラ話を語ってしまうことで、少年たちの対立が深まり、抜き差しならない状況に入り込んでしまう。 ただ、そのタイトルからも伝わるように、この物語のもう一つの大きな主題は、主人公の兄が原爆が落とされた後のヒロシマで何を見たのか、何を感じたのか、それはアメリカにとって、どういう意味を持つのか、ということだ。 戦争によって、敵国の人間を殺すことは名誉なことなのか。人殺しなのか。 話に聞くのと、実体験をするのとでは、大きな開きがあるだろう。 自分たち、自分の国がしたことを見て、兄が語ったこと。 「恥じ入ったんだ。ぼくは恥じ入るべきだと思った」 それはアメリカがしたことを批判することに繋がる。それでも、それを言える、言わねばと感じた兄の気持ち。感じたこと。 果たして、同じ時期、日本では何をしていただろうか。 とは言うものの、今でもアメリカでは「原爆は戦争を終わらせた」という見解のほうが強い。 近年でも、キノコ雲をデザインした校章のハイスクールに日本人の少女が留学し、「キノコ雲の下には子どもや市民がいた。誇れることなのか?」と問いかけたことが話題になった。 両国の間には、まだまだ大きな溝がある。 これを、もっと縮めていくために、こういった思いの交換が大事だと思う。もっと、もっと。

Posted by ブクログ

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