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新編・琉球弧の視点から 朝日文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 朝日新聞/ |
発売年月日 | 1992/08/01 |
JAN | 9784022607195 |
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新編・琉球弧の視点から
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著者のエッセイのなかから、「琉球弧」や奄美大島の生活にかんするものをまとめた本です。 著者は日本を、太平洋に浮かぶ島々のなかの一群としてみなし、これを「ヤポネシア」という名前で呼びます。こうした視点から、とくに明治以降の日本の国家像を相対化する視点が提出されています。さらに著者...
著者のエッセイのなかから、「琉球弧」や奄美大島の生活にかんするものをまとめた本です。 著者は日本を、太平洋に浮かぶ島々のなかの一群としてみなし、これを「ヤポネシア」という名前で呼びます。こうした視点から、とくに明治以降の日本の国家像を相対化する視点が提出されています。さらに著者は、「千島弧」「本州弧」とならぶ「琉球弧」の文化について、奄美大島に暮らす著者自身が当地の人びとの暮らしやことばに触れたときに感じた率直な感想を語ります。 赤坂憲雄の提唱する「東北学」と同様に、日本の自己イメージを解体し、より豊かなイメージに刷新するような視座が提出されており、興味深く読みました。ただし、著者自身は民俗学や文化人類学的な方法論にもとづく考察をおこなっているわけではありません。むしろ著者は、東北と琉球弧を日本のなかの「異端」とするようなことばが空転してしまうことへの警戒感を語っており、あくまで著者自身の触れた奄美大島の人びとの暮らしと文化、あるいは著者自身が戦時中にかかわることになった加計呂麻島への思いがつづられています。こうしたテクストは、ある意味では著者自身の体験に密着しており、だれもが手軽に利用できるものにはなっていないのですが、日本という国について知らず知らずのうちにわれわれがいだいてきたイメージを解体させていくための、きわめて具体的な手続きをそこに見ることができるように思います。
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『死の棘』の島尾敏雄だからというわけではなく、また、しまおまほちゃんの祖父というわけでもなく、「琉球」ものということで読み始めた。主に戦時中、戦後の奄美での生活と沖縄訪問にまつわる随想。政治的には与論島までが鹿児島県で沖縄本島以降が沖縄県に属するが、やはり地理学的に列島全般を琉球...
『死の棘』の島尾敏雄だからというわけではなく、また、しまおまほちゃんの祖父というわけでもなく、「琉球」ものということで読み始めた。主に戦時中、戦後の奄美での生活と沖縄訪問にまつわる随想。政治的には与論島までが鹿児島県で沖縄本島以降が沖縄県に属するが、やはり地理学的に列島全般を琉球弧、あるいはヤポネシアとでも呼ぶべきであるという主張が底辺にある。奄美の言葉が大和の古代語に近いのではないかということと沖縄芝居に感銘を受けるさまが描かれる。南島に魅せられた私小説作家のエッセイというよりも日々考えている琉球弧のことを定期的に発表した者を集めたものといった塩梅。
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