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台所のおと
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商品詳細
内容紹介 | 内容:台所のおと.濃紺.草履.雪もち.食欲.祝辞.呼ばれる.おきみやげ.ひとり暮し.あとでの話 |
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販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 1992/09/28 |
JAN | 9784062059541 |
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台所のおと
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商品レビュー
4.1
10件のお客様レビュー
日常だれにでも訪れるありさまを丁寧にすくった、まさに珠玉の短編集。特に、病気とか死とか誰にでも襲いかかって来る事態、その時の当事者の心持ちが静かに語られるので、痛く響く。 「若い女のひとは、春の感じの人も秋の感じの人もいます。それがおばあさんになると季節から外れて無季の、女といっ...
日常だれにでも訪れるありさまを丁寧にすくった、まさに珠玉の短編集。特に、病気とか死とか誰にでも襲いかかって来る事態、その時の当事者の心持ちが静かに語られるので、痛く響く。 「若い女のひとは、春の感じの人も秋の感じの人もいます。それがおばあさんになると季節から外れて無季の、女といったふうになります。私はまだ当分、焚火のにおいを身につけている女でありたく思うのです。」
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
普段は全く気にしないのだけど、なんかのひょんな弾みで気付くことがある。五感や心がさび付いて鈍くなってるなと、伴って生活自体が惰性的で荒んでるなと。 ラクしたいという意識から文明は進歩してきたと思う。ドラえもんの道具もラクしていろんなことができるから素晴らしい。過度に「ラクするなと戒める」のは文明の否定につながる危険性を伴う。 かといって完全に「ラク」を追求しすぎると、文化は爛熟し「堕ラク」と化す。かといって爛熟を避けるためにラクになって浮いた時間を勤勉に過ごすとゆとりがなくなる。 例えば、電信→電話→ポケベル→携帯→スマホ、と進化していった会話媒体は、わざわざ人に会いに行くという手間をハブいてラクを与えてくれた半面、軽薄な人間関係を育てる温床となった部分(堕ラク)もあり、24時間体制で人とつながり続けるという余裕のない関係(ゆとりがない)を生じさせることになっている。 どこまでラクするか。どこまで手間を惜しむか・・・。各自の価値観も合って一概に正解のない課題ではあるのだけど、この本を読めば何がしかのヒントがつかめるかもしれない。台所から聞こえてくる音や、着物の着方などで自分や配偶者の体調やご機嫌を推し量り、推し量られるから工夫する関係。電子レンジちーん、フリーススポッでは感じ得ないそういう感性を、貴重と思うのか、うざったく思うのか。 幸田文の文章はさらっとしていて胃にもたれない、リズムもあって読みやすい。でも知性が備わっていて、しっかりと後味を残す。そんな幸田文の筆にかかった掌編を読んでみると、ちょっとだけ、手間を惜しまずラクを犠牲にしてみよかな、ひょんなはずみが訪れるわけである。そういや小津映画にもそんなひょんが潜んでいるな。
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表題作の「台所のおと」など10編。 実家に帰ったときの母親の台所のおと。 気にしてみたことがなかったけれど、 今度帰った時にはどんなおとなのか、聞いてみよう。
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