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スウェーデン女王クリスチナ バロック精神史の一肖像 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論社/ |
発売年月日 | 1992/02/10 |
JAN | 9784122018792 |
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スウェーデン女王クリスチナ
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グスタフ=アドルフの娘、デカルトを招聘した女王として知られるスウェーデン王クリスチナの伝記。幼少期の教育に始まり、三十年戦争の講和条件などをめぐる宰相オクセンシェルナとの関係など、通常の支配者の伝記でも注目が集まるポイントにも記述を割きつつ、やはり本書の一番の面白みは、生涯「女王...
グスタフ=アドルフの娘、デカルトを招聘した女王として知られるスウェーデン王クリスチナの伝記。幼少期の教育に始まり、三十年戦争の講和条件などをめぐる宰相オクセンシェルナとの関係など、通常の支配者の伝記でも注目が集まるポイントにも記述を割きつつ、やはり本書の一番の面白みは、生涯「女王」という称号を自ら使用しながらなぜ彼女が退位しカトリックに改宗、ローマに居を定めたのかという思想的・精神的問題にある。何者の支配も受けない「女王」としての自己意識、デカルトとの接触を通じて至った自己確実性の境地などなどから女王の改宗という一大事件の真相に肉薄していくさまは、精神史における肖像を描くという本書の副題に相応しいものとなっている。ただ、本来はカッシーラーのデカルト論、クリスチナ論を踏まえてから(といっても本書中でも先行研究として吟味の対象とはなっているが)読めばさらに面白く読めただろう。
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それまで歴史の表舞台には現れなかったスウェーデンが初めてその存在感を示した30年戦争。 彗星のごとく現れたグスタフ・アドルフとオクセンシェルナの野望はついえたが、 戦勝国であったスウェーデンがその後衰退した原因は、女王クリスチナにあったのだろうか。 グスタフ・アドルフの一人娘と...
それまで歴史の表舞台には現れなかったスウェーデンが初めてその存在感を示した30年戦争。 彗星のごとく現れたグスタフ・アドルフとオクセンシェルナの野望はついえたが、 戦勝国であったスウェーデンがその後衰退した原因は、女王クリスチナにあったのだろうか。 グスタフ・アドルフの一人娘として生まれた彼女の一生は性急だ。 7才で後を継いでスウェーデンの君主となり、18才で親政を開始。 22才で30年戦争の終結を主導し、24才でデカルトの最期を看取り、28才で退位。 29才でプロテスタントからカトリックに改宗してローマに隠遁。 その後63才で没するまで、その新奇で微妙で唯一の立ち位置を時に利用し、時に翻弄され渦中を生きる。 誰に請われるでも望まれるでもなく自ら退位の道を選び、 かつ直前まで争っていた敵対宗教に改宗する国家君主など、 現代においてすら想像するのが難しい。 それは当時の国家情勢や政治状況から察せられるものではなく、 完全に個人の意志によって成し得たものであったがゆえ、 彼女の人生を物語として捉えなければ到底理解しえるものではない。 そして本書は、それを成し得る唯一の本だろう。 ただでさえスウェーデン関連の歴史書籍が数えるほどしか出版されていない本邦において、 当時の文化風習から政治・経済状況、女王の幼年期の生活から交友関係をつまびらかにしつつ、 一人の女性の類まれな物語として成立させている。 英雄でも暗君でも、善人でも悪人でもないバロック時代の元女王の一生とは。
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