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アラブとイスラエル パレスチナ問題の構図 講談社現代新書1085
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1992/01/21 |
JAN | 9784061490857 |
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アラブとイスラエル
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商品レビュー
4.1
33件のお客様レビュー
四次に及ぶ中東戦争が…
四次に及ぶ中東戦争が各国の政策にどのような影響を及ぼしたかが明快に解説されています。パレスチナ問題の概要も分かります
文庫OFF
1992の出版なので当然状況はそこまで。 冒頭に1991年のイスラエル地図と、1942から1991までの欧米諸国、イスラエル、アラブ諸国の相関図年表がある。これはこの本を読むまで何冊かイスラエル関係の本を読んだので、やっとわかる。こういった図示はある程度事実を知ってながめると、よ...
1992の出版なので当然状況はそこまで。 冒頭に1991年のイスラエル地図と、1942から1991までの欧米諸国、イスラエル、アラブ諸国の相関図年表がある。これはこの本を読むまで何冊かイスラエル関係の本を読んだので、やっとわかる。こういった図示はある程度事実を知ってながめると、より理解が深まると感じた。 メモ 〇シオニズムと帝国主義 「国のない民へ、民のいない国を」というキャッチフレーズでパレスチナへの流れが増す。だがそこは「民のいない国」などではなかった。イスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒が長年にわたって共存してきた地域だった。移住前のユダヤ教徒は25000人程度。・・そこにヨーロッパのユダヤ人がやってきて自分たちの国を建てるなど土台無理な話であった。・・しかしその無茶が無茶とも思われないような知的雰囲気が当時のヨーロッパに充満していた。 19世紀末から20世紀初頭は、民族主義の高まった時期であったのと同時に、帝国主義の時代でもあった。~圧倒的な軍事力でアジアとアフリカをヨーロッパが制圧した時期。そのためアジアやアフリカなどヨーロッパが望めばどうにでもなるとの思考が強かった。シオニズムもこうした時代精神の落とし子だった。 なるほど・・ヨーロッパに渡ったユダヤ人は思考がヨーロッパ人化していたと言えるのか? →ヨーロッパからやってきた人間が成立させたユダヤ社会は、パレスチナにおけるヨーロッパの飛び地であり、現地社会とのあいだには埋めがたい隔絶があった。 〇1900年の人口比率、 ユダヤ人はパレスチナの総人口の一割弱。 1914年 ユダヤ人85000人、パレスチナ人70万人。ユダヤ人の所有する土地はパレスチナの2%。 〇土地を売り渡したパレスチナ人 ユダヤ人のパレスチナへの流入は土地の買収を通じて行われた。パレスチナに土地を持つ不在地主たちがシオニストに土地を売却した。パレスチナ人の政治家や有力者の中には、口ではシオニストに反対しながら、実際には金のために土地を手放した者もいた。シオニスト組織は、世界のユダヤ人から寄付を募り、その資金をパレスチナでの土地購入にあてた。 →パレスチナ人以外のアラブ人の「アラブの大儀」を口にしながらも、「シオニストに土地を売り渡しあげくのはてに国を奪われてしまったお馬鹿さんにはとてもつきあいきれない」との感情につながっている。 1937までに、パレスチナの5.7%の土地がシオニストの手に渡る。・・これがシオニストが、パレスチナへの移住は正当な手段で移住したのだと主張する根拠の一つをなしている。 高橋和夫:1951生。1974大阪外国語大学ペルシア語科卒業。1976コロンビア大学で国際関係論修士号取得。1982よりクウェート大使館客員研究員。現在1992放送大学助教授。 1992.1.20第1刷 1993.10.28第5刷 図書館
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パレスチナ問題の1992年時点までの経緯等について、国際政治の観点を中心に解説。 2023年10月のパレスチナの武装勢力・ハマスによるイスラエルへの攻撃から始まったパレスチナ・イスラエル戦争ともいえる状況を受け、パレスチナ問題の歴史を紐解こうと本書を読んだ。本書の発刊は1992年...
パレスチナ問題の1992年時点までの経緯等について、国際政治の観点を中心に解説。 2023年10月のパレスチナの武装勢力・ハマスによるイスラエルへの攻撃から始まったパレスチナ・イスラエル戦争ともいえる状況を受け、パレスチナ問題の歴史を紐解こうと本書を読んだ。本書の発刊は1992年でオスロ合意より前であるが、それまでのパレスチナ問題の背景や経緯がよく整理されていて、理解が深まった。単にパレスチナとイスラエルの関係だけでなく、周辺のアラブ諸国やアメリカ、当時のソ連など、様々な国際政治のアクターのせめぎ合いの中で、パレスチナ問題が形成され、深刻化していったということがよくわかった。問題の解決に向けた道筋は見出しがたいが、現状に至るまでの歴史をきちんと知ることは、その前提として重要と思われる。
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