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一揆 岩波新書194
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 1992/09/17 |
JAN | 9784004201946 |
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商品レビュー
3.3
5件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
1982年刊。著者は東京大学助教授。 鎌倉幕府の評定衆、室町時代の徳政一揆、同時代後期に蠢動した国人や国衆。 他方、これらを遥かに遡る平安時代の僧兵や強訴。 そして時代をずっと下った江戸中期の百姓一揆。あるいは一揆の名すら出ない和田合戦(鎌倉前期の和田義盛の謀反)。 これらは何れも教科書に出てきそうな基礎用語であるが、一見すると全く関係なさそうにも見える。 しかし、これらを「一揆」=中間団体と一貫して捉えることで見えてくるものがあるのではないだろうか?。 本書は時代毎に様々な顔を見せる中間団体を「一揆」と見て、その内実に史的な幹を入れつつ、この変遷に言及する書だ。 確かに「一揆」というと近世、あるいは精々中世後期の徳政一揆・土一揆くらいしか想到しないのが普通だろう。 しかし、一揆が人の集まりを意味するものであり、かような中間団体というものは、時代の(つまり経済的な側面)様相に応じて、変化しつつも常在してきた存在だ。 その「一揆」を、骨というか、幹に見立て、広範囲に及ぶ史的な展開を論じて見せるのは、容易になしうる技ではない。もちろん、近世の百姓一揆との連関性も忘れてはない。 大分前の書で、その存在に気付きにくいけれども、なかなか拾い物の一書であった。
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著者は、民族の体質に深く根ざし、日本の歴史を通して一定の状況のなかでさまざまな階層や身分の人々によって結ばれ、種々の形態をとる一揆をとおして、日本の歴史の基層に生きつづけた集団心性を掘り起こすことが可能だとの仮説のもと、一揆の形態・構造、一揆結成の儀礼・作法、さらには参加した人々...
著者は、民族の体質に深く根ざし、日本の歴史を通して一定の状況のなかでさまざまな階層や身分の人々によって結ばれ、種々の形態をとる一揆をとおして、日本の歴史の基層に生きつづけた集団心性を掘り起こすことが可能だとの仮説のもと、一揆の形態・構造、一揆結成の儀礼・作法、さらには参加した人々の非日常性を表示するシンボルなどを多面的な要素の考察を行った。 内容としては、 1一揆とはなにか 1一味同心 2一味神水 3列参強訴 2共同の世界 1在地領主と一揆 2村と一揆 3変身と変相 1百姓一揆の出立ち 2逃散の作法 4変革の思想 1徳政一揆 2世直し一揆 おわりに 一揆を通して、日本の民衆が権力と如何に対峙してきたのか、その正義の観念、その根拠、歴史的役割など、色々学ぶところがありました。
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私には少し難しい本でした。ひとまず今回は、一揆そのものは元は公正・平等な連帯を求める一種の社会契約で、時代が下ると改善要求のデモやストライキを行う労働組合のようなものになり、末法思想の影響や農民の社会的立場の変化により手段が打ちこわしなどの武力行使へ変遷していった。という理解です...
私には少し難しい本でした。ひとまず今回は、一揆そのものは元は公正・平等な連帯を求める一種の社会契約で、時代が下ると改善要求のデモやストライキを行う労働組合のようなものになり、末法思想の影響や農民の社会的立場の変化により手段が打ちこわしなどの武力行使へ変遷していった。という理解です。後半部分、一揆の奥に見える観念や思想を民俗学的な見地を交えて考察している部分は何度も感心させられ、傘連判状に見える平等意識、蓑笠姿の変身観念、篠(ささ)を引くという行為が持つ意味など、このあたりのくだりに一番興味を持ちました。
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