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証言 朝鮮人のみた戦前期出版界 一編集者の回想
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 出版ニュース社/ |
発売年月日 | 1992/01/20 |
JAN | 9784785200534 |
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証言 朝鮮人のみた戦前期出版界
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個人的な関心から、古本屋で手に入れた本。 といっても戦前出版界に関する体系的な記述があるわけではなく、きわめて主観的な回想録なので、よほど関心がない限り、客観的に見て資料的価値はあまりないだろう。 むしろ私が強烈な印象をおぼえたのは、著者の金亨燦氏の、幾重にも屈折した自己意識だ。...
個人的な関心から、古本屋で手に入れた本。 といっても戦前出版界に関する体系的な記述があるわけではなく、きわめて主観的な回想録なので、よほど関心がない限り、客観的に見て資料的価値はあまりないだろう。 むしろ私が強烈な印象をおぼえたのは、著者の金亨燦氏の、幾重にも屈折した自己意識だ。非常に優秀な若者であった彼は、日本の出版界で華々しい成功を収め、軍部による出版統制にさえ深く加担しながらも、朝鮮人として差別され続け、最後は憲兵に睨まれて日本を脱出せざるを得なかった。 「朝鮮人のくせに」と蔑まれても、故郷にはない出世の道が開かれていた宗主国の首都で活躍した日々は、同胞から「親日派の裏切り者」とみなされてもおかしくなかった著者にとって、裏切られた悔しさと同時に、もっとも充実した栄光の記憶でもあったのだろう。夫にかしづく日本女性を賛美し、朝鮮から連れてきた妻への軽侮をあらわにしたり、「公私を混同しない日本軍人」をほめたたえる記述にいたっては、非常に複雑な気持ちにさせられる。終戦後、解放された祖国に戻っても、自分の国のような気がしないという。植民地で生まれ育つということは、このような精神をもたらすものなのか・・・。なんとも不思議な本であった。
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