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追憶のファイル 創元推理文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 1992/08/21 |
JAN | 9784488278014 |
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商品レビュー
3.5
3件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
注:内容に触れています 92年の8月に出た本なんだなぁー。 アマゾンでコナリ―の『ナイトホークス』を見ると92年の10月発売になっているから、ハードボイルドにもうどっぷりハマっていた頃のはず。 にもかかわらずこれを全然知らなかったのは、やっぱり表紙が(当時のハヤカワや扶桑社ミステリーと比べ)地味で、本屋で目に留まらなかったからだと思う(笑) 表紙は大事。“見た目(表紙)で売り上げが変わる”と、こないだWBSでもやってたっけ。 そう、当時読んだら、絶対次も買っていたタイプの小説! いや、今読んでもいい。ありがちな「人を殺すのに、そんなややこしーことするヤツいねーよ!」的な読者のために至れり尽くせりおバカトリック小説ではなく、ひたすら地味ぃ~なストーリーなところがいいんだと思う(笑) ただ、最後の最期、主人公ジェリが登場人物の1人が殺されているのを発見したシーンから後、そこからがな~んかイマイチ。 というのも、読み終わってみれば、「なんだよ!これって、結局、女性主人公がいい男たちにチヤホヤされる作者の願望を小説にしたってこと?w」的な、主人公の設定にちょっとシラケたというのがあるのだ。 つまり、いったんシラケてしまうと、今度はアラが目立ってくるというわけ(笑) 後半、犯人は2人の人を殺すんだけど、その2人はのどを切って殺すのに、なんでラストは姿を現して拳銃で殺そうとしたのか? ていうか、犯人のあのキャラって、のどをかき切るような殺し方をするタイプかなぁ~? そもそも、その犯人の人となり――感情の爆発なのか?計算しているのか?それとも狂っているのか?というか、あそこまでいっちゃうと多重人格か?――が見えてこないところは大いに不満。 そういう意味では、ベス、ベッツィー、リジーと人によって呼び方が変わるエリザベスの印象が、その愛称で呼ぶ人たちの話でそれほど大きく変わるわけではないのも小説としてはちょっと弱い。 もちろん違うのは違う。でも、その違いが衝撃ってほどでもないというか、(『火車』に似ていると感想を書いていた方がいたが)『火車』の2番底、3番底…となっていく、あの底なし感がないというか…。 名前をレネイに変えたというのも、そのいきさつがイマイチ見えてこない。 ま、これは主人公ジェリによる一人称小説だから。ジェリのわからない事は書きようがないと言ってしまうのなら、確かにそれまでなんだけどさー(笑) ……と書いちゃうと、全然ダメダメみたいだけど、気楽に読めるハードボイルド(風?)小説としては結構いいと思った。 バイオレンス度は少な目なので、読んでいて気が重くなるようなこともないし。ハードボイルドにしては、主人公が自らの人生の諦観に酔ってないのもいい。 また、ジェリが物語の経過を語りつつ、合間合間で情景描写をするのだがそれがとってもきれいでハッとさせられる。最後の最期である人物の死体が見つかる場面の前なんて、読んでいてその光景がまざまざと浮かんでくる感じ。 さらには400ページ弱、冗長さがなくしっかり物語られているのも好感を持った。 見ると、2作目、3作目とさらに長くなっているようで、この著者ならその長さにむしろ期待が持てると思うのだが、読もうかどうしようか考えてしまうのは、男の自分としてはジェリより別れた元夫のシドに共感(というより同情?w)しちゃうからだと思う(笑)
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これも女性探偵もの、良いシリーズ。朝倉めぐみさんが表紙のイラストを描いてるミステリは外れなしという時期があった
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失踪人捜索がメインのテーマ。対象を調べていくうちに、どんどんその人の違う一面が現れていくるところが、「火車」でも使われている手法だなと思いました。まあ結末は全然違いますが。
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