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ぞうさんレレブム 岩波の子どもの本
定価 ¥1,210
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 1992/06/01 |
JAN | 9784001151374 |
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ぞうさんレレブム
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ぞうさんレレブム
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商品レビュー
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ビネッテ・シュレーダーの文と絵による、ウィキペディアで調べたら、1973年発表らしい本書は、これまで見てきた彼女の幻想的な美しさとは全く異なる、デザイン性の高い精巧さと、ほのぼのとしながらも大切な普遍性を兼ね備えた、絵本としての完成度はあると思いながら、戸惑いを感じたことも確か...
ビネッテ・シュレーダーの文と絵による、ウィキペディアで調べたら、1973年発表らしい本書は、これまで見てきた彼女の幻想的な美しさとは全く異なる、デザイン性の高い精巧さと、ほのぼのとしながらも大切な普遍性を兼ね備えた、絵本としての完成度はあると思いながら、戸惑いを感じたことも確かであった。 しかし、それが却って、彼女独自のシュールな絵柄に馴染めない方にもお勧めできるといった利点もあり、その限られた色による、計算されたシンプルさに可愛らしさの合わさった、分かりやすい切り絵風の絵は、子どもへの読み聞かせとして、そこに含まれたメッセージも含めて、最適だと思う。 象というものは、みんな灰色であることを誰もが知っている中、「レレブム」は尻尾の先まで真っ青な特別な存在ではあったが、ある日、他の仲間たちのような、灰色の普通の象になりたいと願うようになる。 そこでレレブムは、餌を変えてはどうだろうということで、緑色のものだけを食べてみたら、灰色ではなくて緑色になってしまい、悔し紛れに、今度は白いお花を片っ端から平らげたら、今度は・・・って、分かりやすい展開ながら、ここの描写は見方によっては、シュールに思われて、絵柄は変われど、シュレーダーらしさは残っていた嬉しさがあったものの、体の色が変わる度に涙を流すレレブムには、思わず同情の念を抱いてしまう。 しかし、たとえ体が何色であっても、唯一レレブムには変わらないものがあることを私は知り、しかもそれは決して噓を付けない、心の内の気持ちを素直に感じ取れる宝石でもあり、そこから自分を取り戻す姿には、改めて誰もがそうした見えないところに宿った、不変的で大切なものを持っていることを実感させられて、やはり見た目ではなく、大事なのは中身だよねということを教えてくれた。 市の図書館から取り寄せて借りた本書には、訳者矢川澄子さんによる解説付きの小冊子が付属しており、それによると、この絵本を思い付いたのは、まだシュレーダーが学生時代のことだそうで、デビュー作は「お友だちのほしかったルピナスさん」であるものの、もしかしたら、真のそれはこちらかもしれないと思うと、そのシンプルさにも納得出来るものがあった。 また、彼女の全ての作品の共通点として、幼児に父を戦争で失い、孤独なひとりっ子として育った彼女の体験がどこかで息づいているのかもしれないことがあるそうで、そういえば、上記の「ルピナスさん」も、少女が二人の新しい友だちと一緒に散歩するつもりが、いつの間にか奇想天外な冒険になる話だったなと思い返し、そんな彼女の個人的な気持ちが、もしも作品に込められていたのであるのならば、こんなに嬉しいことはないなと感じられた、それは絵本作家自身の心に秘めた思いに触れたことで、より私の心を動かされる素晴らしさである。
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色味の暗い本だけれど、物語の本質は深い。 他者と違う自分の特性に悩みながら、最後には自分自身を受入れるお話。
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一見、暗い印象を持たれかねない絵ですが、その発色とシンプルなデザインはどこかひかれるものがあると思います。言葉の運びにはリズミカルな部分が感じられますが、欲を言えばもう少しなめらかだといいなぁと思いました。 周りのぞうははいいろ。だけど、レレブムはあおいろのぞうです。みんなと違...
一見、暗い印象を持たれかねない絵ですが、その発色とシンプルなデザインはどこかひかれるものがあると思います。言葉の運びにはリズミカルな部分が感じられますが、欲を言えばもう少しなめらかだといいなぁと思いました。 周りのぞうははいいろ。だけど、レレブムはあおいろのぞうです。みんなと違うのが嫌で、みどりのものをたべたり、白のものを食べたりそれはまるで自分の居場所を一生懸命探しているかのよう。 わたしたちも普段色んな顔を持っている。家族の中でのかお、外に出た時のかお、友人と接する時のかお…。 どれが自分にとって居心地が良いと感じられる場所か?それは、試行錯誤しながら見つけていきます。 レレブムの色探しは、そんなわたしたちと重なる部分がある気がしました。 最後には元通りのあおいろになったレレブム。それはきっと自分が心地よいと思える場所を見つけた冒険の旅の終着駅。 わたしがそう感じられる色はさて何色なんでしょうか。
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