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匣の中の失楽 講談社ノベルス
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1991/11/05 |
JAN | 9784061815872 |
- 書籍
- 新書
匣の中の失楽
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商品レビュー
3.7
54件のお客様レビュー
私を読書家にさせた数…
私を読書家にさせた数冊の本のうちの一冊。大学時代に読んで、こんな面白い小説があったのかと衝撃を受けた。それ以降色々と本を読んできたが、この本は今でも私のトップ5に入ったまま揺るがない。まず作中作というスタイルに初めて接して感動し、科学関連の知識が衒学的にちりばめられていて嬉しくな...
私を読書家にさせた数冊の本のうちの一冊。大学時代に読んで、こんな面白い小説があったのかと衝撃を受けた。それ以降色々と本を読んできたが、この本は今でも私のトップ5に入ったまま揺るがない。まず作中作というスタイルに初めて接して感動し、科学関連の知識が衒学的にちりばめられていて嬉しくなり、ストーリー自体もとても好きだ。
文庫OFF
竹本氏のデビュー作に…
竹本氏のデビュー作にしてミステリ史に燦然と輝く傑作。この一風変わった世界観にゆったりと浸ってほしい。
文庫OFF
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
作中でナイルズが書いている小説は『いかにして密室はつくられたか』という題名で、題名自体が問いかけになっている。この問いかけへの答えは作中で明示されていないけれど、通してこの小説を読んでからその問いかけに答えようとするのであれば、「『いかにして密室はつくられたか』と問いかけたとき 密室はつくられた」と答えることができる。「さかさまの殺人事件」という言葉が作中で何度も用いられ、真相解明もその言葉通りさかさまに行われる。だから「いかにして密室はつくられたか」という問いかけについてもさかさまの答えになる。密室殺人は実際起こってしまった以上なんらかの当たり前のなりゆきで行われている。初めからそこに不自然さや不合理さは存在していない。しかしそこで「密室」に対して「いかにしてつくられたか?」と問いかけるとき、密室は不自然だったり不合理だったりするものに変えられてしまう。つまり、密室は問いかけによってつくられる。問いかけというのは、どうしてなんだろう?と人が考えることなので、言い換えると、「人間が考えるからこそ密室はつくられる」ということになる。「考える」というのは「世界を認識すること」と言い換えることもできる。なのでさらに「密室とは認識そのものだ」といえる。 ところで、「「いかにして密室はつくられたか」という問いかけに対して「密室とは認識そのものだ」という答えがこの小説の中に用意されていた」とどうして言えるのかというと、この小説の終盤で「僕たち自身が密室なのだ」と独白で語られているいるからだ。ここでいう自分とは自分の認識のことなので「密室とは認識だ」いうことになる。なのでこの感想の書き出しで示したように、「いかにして密室はつくられるか」という問いには「『いかにして密室はつくられたか』と問いかけたとき密室はつくられた」という答えになる。 といったように作中最大の問いには答えが示されているけれど、そのように密室を認識の問題として答えようとするために、普通のミステリ小説としての納得感みたいなものは打ち捨てられている。奇数章という最終的により現実世界っぽく扱われている方では一応の解決がされているけれど、特に偶数章の方はモヤモヤが残る。ナイルズ曰く、偶数章を書いたことで殺人をおこなうように誘導したということではあったけど、その理屈も詳しくは説明してくれない。しっかり読み込んで推理すれば筋の通った説明ができるのかもしれないけれど、曖昧なところと一応解明されるところが混在している、ということ自体が『匣の中の失楽』の持ち味、ということもできそうで、しっかり読み込むモチベーションのない私はそれで了解、ということにしておきたい。
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