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精霊と結婚した男 モロッコ人トゥハーミの肖像 文化人類学叢書
定価 ¥3,960
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 紀伊國屋書店/ |
| 発売年月日 | 1991/07/15 |
| JAN | 9784314005623 |
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精霊と結婚した男
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精霊と結婚した男
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商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
『精霊と結婚した男』は、現代のモロッコで生きた一人の職人の、不思定的でありながら極めて具体的な日常を描いた民族誌です。主人公のトゥハーミは、精霊(ジン)のアイシャ・カンディーシャと「結婚」していると信じており、その関係性は彼の生活のすみずみにまで及んでいました。 イスラム文化圏におけるジンの存在は、決して特別なものではありません。クルアーンにも記されているように、彼らは人間とは異なる存在として神に創造された精霊とされています。その中でも、アイシャ・カンディーシャは特に有名な女性のジンで、美しい姿で現れ、男性を魅了すると言われてきました。彼女の特徴的な要素として、銅の脚を持つという伝承があり、その美しさの裏に潜む危険な性質を表現しているとされています。 トゥハーミの日常は、私たちの想像をはるかに超える具体性を持って描かれています。例えば、アイシャ・カンディーシャは、オレンジの花よりも甘く魅惑的な香りとともに現れ、彼の仕事場である工房に突然姿を見せることがありました。彼女との「結婚」生活には、具体的な規則が伴っていました。水曜日には肉を食べてはいけない、青い服を着てはいけない、金曜日には特別な祈りを捧げなければならないなど、細かな決まりがあり、これらを破ると激しい頭痛や高熱に苦しめられたといいます。 特に興味深いのは、夢の中での体験です。アイシャ・カンディーシャは、若い美女として、あるいは年老いた魔女として姿を変え、トゥハーミを異界へと連れて行きました。そこでは他のジンたちとの交流もあり、それぞれが独自の性格や力を持っていたと語られています。 彼らの出会いも印象的です。若かった頃のある夜、井戸の近くで一人の美しい女性を見かけたトゥハーミは、彼女に近づいていきました。白い伝統衣装をまとい、長い黒髪を持つ女性でしたが、よく見ると足が銅でできていることに気づいたのです。この出会いを境に、彼の人生は大きく変わることになりました。 この「結婚」は、トゥハーミに制約だけでなく、特別な力ももたらしました。村人たちが病気や問題を抱えて彼を訪ねてきたとき、アイシャ・カンディーシャから授かった力で人々を助けることができたと信じていたのです。特に、精神的な問題や、他のジンに取り憑かれた人々の治療に効果があったといいます。 著者のクラパンザーノは、精神分析家のような忍耐強さで、トゥハーミの語りに耳を傾けました。そこから見えてきたのは、私たちの「常識」や「合理性」という基準では捉えきれない、豊かな精神世界の存在でした。トゥハーミにとって、アイシャ・カンディーシャとの関係は、香りや触感、身体感覚を伴う、極めてリアルな体験だったのです。 この作品が投げかけるのは、「現実とは何か」という深い問いです。文字を読むことのできない一人の職人の世界観を通して、私たちは人間の経験の多様性と、文化によって異なる「現実」の存在を考えさせられます。それは、グローバル化が進む現代においても、異文化理解の本質を考える上で重要な示唆を与えてくれる作品なのです。
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[ 内容 ] これは、トゥハーミという名のアラブ系モロッコ人の物語である。 彼は文盲のかわら職人で、自分の働く工場で窓のない物置部屋に住み、社会とは隔絶した生活を送っている。 そして、アイシャ・カンディーシャという女の精霊と「結婚」しており、日常生活のさまざまな面を―とりわけ性愛...
[ 内容 ] これは、トゥハーミという名のアラブ系モロッコ人の物語である。 彼は文盲のかわら職人で、自分の働く工場で窓のない物置部屋に住み、社会とは隔絶した生活を送っている。 そして、アイシャ・カンディーシャという女の精霊と「結婚」しており、日常生活のさまざまな面を―とりわけ性愛生活を―完全に支配されていた。 著者は、トゥハーミに対する度重なるインタビューを通して、その奇妙な心理世界に分け入り、それをなまなましく描き出す。 そこには、オリエント的なエロティシズムや、イスラム世界の風変わりな精霊信仰がみなぎり、読む者を飽きさせない。 トゥハーミの人生は読者に、一種の幻想的世界を垣間見せてくれるだろう。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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