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ぼくたちの近代史 河出文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社/ |
発売年月日 | 1992/01/10 |
JAN | 9784309403311 |
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ぼくたちの近代史
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商品レビュー
3.3
4件のお客様レビュー
高校生の頃に読んだ一冊。 twitterの「#あなたの本棚のこいのぼり」の本を探しているときに、偶然本棚から出て来て懐かしい再会を果たした。ブクログには上げてなかったので、上げておこう。登録600冊目が橋本治の本というのは良い感じ。 内容を殆ど覚えていないので、星3つ。
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本書のタイトルになっている「近代史」とは、著者自身のことばでいうと「ここ二十年ばかりの話」であり、本書のもとになっている講演がおこなわれたのが1987年なので、1967年以降の話題があつかわれていることになります。そして、本書で最初にとりあげられているのは、全共闘とはなんだったの...
本書のタイトルになっている「近代史」とは、著者自身のことばでいうと「ここ二十年ばかりの話」であり、本書のもとになっている講演がおこなわれたのが1987年なので、1967年以降の話題があつかわれていることになります。そして、本書で最初にとりあげられているのは、全共闘とはなんだったのかというテーマです。 著者は、ノン・セクト・ラジカルであった全共闘は理論によってできたセクトではなかったがゆえに、「大人は判ってくれない」ということを理論化するほかなく、しかもそうしたスタート・ラインに立ちもどることなく難解なことばのコラージュによって理論を形成したと断じます。そのうえで、だからこそ「分かる人にしか分からない」「分かる人には分かる」というかたちで運動がひろまったのだといいます。そして、彼らの難解な理論的言説は「キチンと書けば分かってくれる」という発想にもとづいていたことが指摘され、自己完結的なしかたで他者を理解しようとすることにひそむ甘えを鋭く突いています。 つづいて著者は、昭和天皇やイエス・キリスト、ヒトラーの例を引きつつ、リーダーを求める心性についての分析をおこない、現代という時代は「リーダーはもう来ない」のであり、既成観念に寄りかかって生きることはもはやできなくなったと主張します。そして、著者の少年時代の体験談が語られ、大人たちにとってはなんの意味ももたない「原っぱ」で、子どもたちが関係性を創発的につくりだしていったことを振り返るとともに、そのような関係性を構築していくやりかたが論じられています。 なお本書のもとになった講演は、『恋愛論』を同様に保坂和志の企画によるものです。著者の少年・青年時代のエピソードを通じて著者独自の他者論が展開されており、その中心的な思想は『恋愛論』と通じるものだといえるでしょう。
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橋本さんの著書は、なんとなく貴重なことが書かれているように思いつつ凝視しながら読み進み、途中から退屈な箇所が増えていくうちに集中力が途切れてきて、ぼんやりしているといきなり「ハッ」とするような記述に遭遇して、さらに読み進めていくうちに疲れてきて以下ループ。その「ハッ」とする記述を...
橋本さんの著書は、なんとなく貴重なことが書かれているように思いつつ凝視しながら読み進み、途中から退屈な箇所が増えていくうちに集中力が途切れてきて、ぼんやりしているといきなり「ハッ」とするような記述に遭遇して、さらに読み進めていくうちに疲れてきて以下ループ。その「ハッ」とする記述を読むだけでも非常に大きな価値があるので、橋本さんの本は何を差し置いてでもとりあえずは読まざるをえない。 橋本さんの視点から見た独特の日本近代史観を期待していたのだが、本書は戦後を生きてきたご本人の系譜を語っているといった印象のほうが強い。それでも安田講堂での裏話はとても興味深く、また中盤のキリストとヒトラーについての記述もおもしろい。 「恋愛論」と同じく講演会なので、独特の口調による橋本さんらしさがとてもよく出ている。この人のノンビリした文体や語り口は長時間の読書に適したものだと思う。
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