窯変 源氏物語(3)

橋本治【著】

• 内容紹介: 内容:花宴.葵.賢木
• 販売会社／発売会社: 中央公論社
• 発売年月日: 1991/07/20
• JAN: 9784124030037

商品レビュー

2012/10/11

ゴキブリの表記があった。この時代ももちろん生息していたんだ。よみはごきかぶり。昔の女の人もこわがってたのかな？

「花宴」「葵」「賢木」

2012/05/23

源氏物語より「花宴」「葵」「賢木」。

目新しい切り口としては「葵」での六条のセリフ。
「あなたがあの女を殺せと願ったのでしょう？」
そうきたか橋本源氏！って感じです。

原典やその他の現代語訳と違って、葵の上の死に対する源氏の哀しみが薄いです。
今際の際にやっと心通じ合えた夫婦の哀しさは微かにしかありません。
今まで読んできた現代語訳では葵の死は涙涙で、「もっと早くにお互い心の隔てを取り除くことができていたなら」という思い＋遺された幼子夕霧のいとけなさも相まって(一々悪者として仕立て上げられる六条の哀しさもありますが)私的には源氏物語の中でもそりゃぁもう泣けるポイントの筆頭とも言える帖なのですが橋本源氏は違ったｗ

田辺・原典・与謝野・瀬戸内と読み重ねてきた私には橋本源氏の源氏視点で描かれることの目新しさ、「お前が言うか?」とツッコミどころ満載の楽しさｗ、とツッコミつつも「いや、源氏視点にすればさもありなん・・・」と妙に納得させられることも多く楽しい読書させてもらってます。
全14巻、まだまだ先があるのが今は嬉しいですｗ

2009/12/23

　寝ようと目を閉じると頭の中をこの文体がぐるぐると回るんです。文体、というかリズムというか。すごい。

　葵の上の亡くなる前後のエピソードが無性に悲しかったです。「家族」というものを知った光る君の語りがどうしてかやけに。

あと、紫の上について。単に自分好みの妻を育てる好き心というだけではなくて、里、父、背景の付属しない妻を欲していた…というのに深く納得。