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おやすみなさいトムさん 児童図書館・文学の部屋
定価 ¥1,922
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 評論社/ |
発売年月日 | 1991/08/10 |
JAN | 9784566011069 |
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おやすみなさいトムさん
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商品レビュー
4.6
11件のお客様レビュー
第二次世界大戦中のイギリスが舞台。 ロンドンから田舎に疎開した9歳のウィリーは一人暮らしの偏屈なトムさんの家に預けられる。 トムさんの辛抱強い献身的な子育て、村の人々の親切、友だちもでき少年らしい明るさを取り戻し、心を開いていく姿が詳細に描かれている。 その中でウィリーが母親から...
第二次世界大戦中のイギリスが舞台。 ロンドンから田舎に疎開した9歳のウィリーは一人暮らしの偏屈なトムさんの家に預けられる。 トムさんの辛抱強い献身的な子育て、村の人々の親切、友だちもでき少年らしい明るさを取り戻し、心を開いていく姿が詳細に描かれている。 その中でウィリーが母親から受けてきた驚くべき実態が明らかになってくる。 環境が違うと子どもはこれ程変わるのだと苦しくなる。 ウィリーが生き生きと幸せになっていく過程を祝福しながら読んでいると中盤、母親から戻ってくるようにと手紙がくる。 不安で読む手は止まらない。 心に深く沁みる良い話だった。 トムさんが素晴らしい。待つこと、教えること、自信を持たせること、そして愛情を注ぐこと、子どもに接する理想的な姿だ。 トムさんがウィリーが寝る前に本を読み聞かせ、おやすみなさいを言う場面が静かで愛と祝福に満ちていて、泣きたくなる。 苦しくなる辛い場面があるが、子どもたちの日々の描写が生き生きと明るく楽しいことに救われる。子どもの楽しい日常に涙がでるほど幸せを感じる。 1981年にイギリスで出版された。
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開戦まで秒読みのイギリス。 ロンドンに住む人たちは、子どもを田舎に疎開させる。 村の人とほとんど交流をしない偏屈な老人であるトム・オークリーのところにやって来たのは、やせっぽちで怯えている少年・ウィリーだった。 実はウィリーには父親がいず、母親に虐待されている子だった。 「悪い子」だと言われ、体中にあざや傷が残るほど折檻を受けていたウィリーには、世の中は怖いものだらけだった。 しかし偏屈な老人のはずのトムは、愛する妻を亡くした痛手から40年立ち直れなかっただけで、本来は心優しく思いやりの深い人だった。 少し食べただけでもどしてしまう、毎晩おねしょをする、風呂の入り方も知らない傷だらけのウィリーが癒されるまで、じっと待ち続けるトム。 普通の子よりずっと手のかかるウィリーの世話を嫌がることなく、ウィリーの様子を見守るトム。 トムや近所の人たちからウィリーは初めて優しい言葉や温かいまなざしをかけられ、差し伸べられる手を通して人の善意を知ることになる。 友達と楽しく遊ぶこと。大人の手伝いをすること。本を読んでもらうこと。絵を描くこと。 徐々に自分を肯定できるようになったウィリー。 旅芸人の子どもザックや、女子のくせに(!)勉強が好きで進学を目指しているキャリーなど、それぞれの子が自分らしくあることで、他人を尊重できるようにもなる。 しかし戦争は始まり、ウィリーの母が病気になりロンドンに呼び戻されたり、ウィリーの周囲にも死の影は忍び寄ってくるのだった。 ウィリーの心が動きを止めてしまうような衝撃的な出来事が二つ起こります。 トムがどれだけウィリーを大切に思い、守ろうとしているか。 法的な正解ではなく、ウィリーにとっての最適解をトムはウィリーに与えます。 “「あのひとたちはおまえを、子どもを養育する施設に入れようとしていた。しかしわしはお前をここに連れて帰りたかったんだ」 「どうして?」 「どうしてってーそれは」(中略)「それはおまえがかわいかったからだ。それだけのことだよ。おまえがいなくなって、とても淋しかったのさ」” それは、ウィリーが一番欲しかった言葉なんじゃないだろうか。 ハイスクールに進学したいキャリー。 “「変人扱いされてもやりたいことをやる方が、当りまえの女の子の生活を送りながら惨めな気持ちでいるより、よっぽどいいもの」” ウィリーが一つの大きな試練を自分の力で乗り越えた時、ウィリーは言う。 「ぼく、ずいぶん大きくなったみたいだ!」 苦く苦しい部分もあるけれど、親子、友情、ジェンダー、戦争、信仰、芸術などいろんなことを考えさせられた。 読んでよかった。
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中学時代、初めて本を読むことに夢中になった、思い出深い一冊です。 いろいろあった時代に、本を読むことの楽しさを教えてくれたこの一冊に感謝。
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