ナイチンゲールの屍衣 ハヤカワ・ミステリ文庫

P.D.ジェイムズ【著】, 隈田たけ子【訳】

• 販売会社／発売会社: 早川書房
• 発売年月日: 1991/03/31
• JAN: 9784150766054

商品レビュー

2022/06/14

なかなか読み進まず…
登場人物の名前にこんなに手こずったのは久々。笑
病院併設の看護婦養成所ナイチンゲールハウスでの殺人事件。
トリック云々というより人物の心情描写が見事。
女性ならではの視点、かすかな引っかかりも言語化できる才能。だからジェイムズの作品はやめられない。
読むまで見まいと決めていたドラマ“刑事ダルグリッシュ” 録画をやっと見られるのが嬉しい♪

2022/05/11

長かった！人物名多すぎて頭に入ってこなかった。独身時代、この作者さんが好きで読み漁っていたのに、まったく頭に入って来なくて年のせいかなと怖くなりました。
トリックもよくわからないし、翻訳の仕方も少し古い言い方だったり、余計な描写が多くて前に出てきたトリックを忘れてしまったり。
あー疲れた。あんなに好きだったのに…残念。

2021/11/29

予想を大きく上まわって、秀逸な面白さだった。解説に、PDジェイムズの重苦しさをあげつらっている権田氏・・それはない‥そこが彼女の魅力なんだとますます惚れ込んで行きそう。

ナチスドイツが支配する第二次大戦下のドイツにはさまざまな人種が入り込み、戦後それぞれの国へ戻って行った・・働いていた征服を隠し、おのれの身分すら偽り・・という話は結構聞いていた。文章も構成も清冽な知的香り、次第に2件の殺人事件の真相が見えてきて、犯人が浮上する中での不調と詩人警部ダルグリッシュとの長い会話の何と驚く内容である事か。
第3の殺人のからくりを語る男と女の昏い秘密には唖然。

ラストで綴られる「破壊されて行くナイチンゲール・ハウス」・・5０年前に壊されるべきであり、看護婦養成所たるには全くふさわしくなかったという一文が全てを語っている気がした。