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日本歴史推理紀行
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 青木書店/ |
発売年月日 | 1991/10/01 |
JAN | 9784250910302 |
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日本歴史推理紀行
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「天橋立」秘話
経済学者で歴史に関心をもつ著者が、学会出張の折りなどに歴史の秘話を訪ね 歩いて二十年、一冊にまとめた労作だ。十一編がまとめられている。 といって堅苦しい論文集というワケではなく、謎の古代文字だの、太平記だ の、李舜臣提督の事跡だの、楠木正成の強さの秘密だの、楽しい話題満載の...
経済学者で歴史に関心をもつ著者が、学会出張の折りなどに歴史の秘話を訪ね 歩いて二十年、一冊にまとめた労作だ。十一編がまとめられている。 といって堅苦しい論文集というワケではなく、謎の古代文字だの、太平記だ の、李舜臣提督の事跡だの、楠木正成の強さの秘密だの、楽しい話題満載の好 著である。 その一編に、丹後半島にある天の橋立をめぐるエピソードが紹介されている。 1937年、日中戦争の前夜。軍需物資の大型船への積み込みを可能にするた め、橋立の中央部を切断しようとする計画がもちあがった。。 それに対して真っ向から反対したのは地元の宮津町・町長の三井長右右衛門。 政府から中央の意志を代表してやってきた伍堂卓雄商工大臣(林銑十郎内閣) のたび重なる「説得」にもかかわらず、クビをタテにふらなかった。 三井町長は反論していわく、 「いくさは一時のもの、百年も続くわけはない。だが橋立は切断すれば二度と 元へは戻らない。日本人の心のシンボルが消える」 正論である。が、あの時代、軍部の意向を体現した権力者に反対することは ヘタしたら生命の危険をも意味したハズである。しかしそうした身の危険を顧 みず、三井長右右衛門がその主張を貫けたのは何故なのか? 著者はその秘密として、次の二点を指摘されている。 第一に、北前船の寄港地、丹後若狭方面最大の漁業基地、そして「丹後縮緬」 の中心地として隆盛を誇ったことからくる「中央の政治家とて何するもぞ!」 という気概。 第二に、そうした経済基盤に加え、宮津市に存在した「天橋義塾」の存在に求 めている。これは自由民権時代、日本全国に設立された学習結社のひとつであ る。そうした精神的支柱の存在。。 以上の二点が、軍部の暴挙に立ち向かった三井翁の心中にあったのではない だろうか?むろん真相は余人の知るところではないけども、これから天の橋立 を訪れる人は、そうしたエピソードを胸にかの地を望んでも一興だとおもう。
士門