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においの歴史 新版 嗅覚と社会的想像力
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においの歴史 新版 嗅覚と社会的想像力

アラン・コルバン(著者), 山田登世子(訳者), 鹿島茂(訳者)

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においの歴史 新版 嗅覚と社会的想像力

定価 ¥5,340

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 藤原書店
発売年月日 1990/12/25
JAN 9784938661168

においの歴史 新版

¥2,750

商品レビュー

4.5

4件のお客様レビュー

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2024/08/22

この本では当時のパリがどれだけ汚く、強烈な悪臭で満たされていたか、そしてそこから時代を経てどのような公衆衛生対策が取られていったのか、また市民がにおいについてどのような感情を抱いていたのかを詳しく知ることができます。

Posted by ブクログ

2021/08/18

「18,19世紀の西欧近代は、あらゆる意味で「視覚」の時代である【中略】いったい嗅覚の側では何が生起していたのだろうかーコルバンは、嗅覚の変容を通してみた近代史を試みようとする。芳しい香りの悦楽と悪臭の排除という、近代の持つこの二つの顔は・・」 「嫌悪や快楽という無意識の領域を明...

「18,19世紀の西欧近代は、あらゆる意味で「視覚」の時代である【中略】いったい嗅覚の側では何が生起していたのだろうかーコルバンは、嗅覚の変容を通してみた近代史を試みようとする。芳しい香りの悦楽と悪臭の排除という、近代の持つこの二つの顔は・・」 「嫌悪や快楽という無意識の領域を明るみに出し、これを歴史的出来事としてとらえ返すコルバンの感性の歴史」 (以上訳者あとがきから) あまりに長大かつとてもリーダビリティがあるとは言えないので、まずは訳者あとがきから読んである程度意図と全容を掴むほうがいいかもしれないと思った。 30年前の本なので現代ではアウトの部分もある。やむなし。 ちなみに、原題は「瘴気と黄水仙」で訳者もそれを推したが編集の意見で「においの歴史」になったと書かれている。原題のほうがいいように思う。 P32 壁は臭気を蓄える P89 ベッヒャーの見解に依れば、糞便にはまだ生命の火が残っているので治療的な効果があるという。したがって糞便を芳香剤の調合に用いるのはそれほど異常なこととは言えない。 P90 嗅覚においても、甘美な匂いと強烈な臭気を隔てるのは苦痛閾である。 P96 香水屋のデジャンは植物性の香水の使用法について書いている。「これをしておけば、私たちは人の集まりの中でも陽気でいることができます。そしてそのおかげで他の人からも好かれるようになるでしょう。社会はこうしてでき上っていくのです。もし不幸にも自分自身のことが好きでなかったら、いったい、私たちは誰に好かれるでしょうか」 P179 浄化への欲求は当然ながら、選別的なものとならざるを得ない。その場合ブルジョワジーの発展のための空間が消毒されるのは、その不動産的価値を高める目的なのは言うまでもない。だが様々な労働者がひしめき合う賃貸家屋の場合、これを衛生的にすることはさしあたりむしろ逆に家主の負担をとてつもなく増大させる結果になる。 P183 諸々の感覚は絶えず相互に依存しあっている。バラの匂いがまさにバラの匂いとして感じ取られるのは、同時に他の感覚作用が一緒に働いているおかげでもあるのだ。【中略】嗅覚は多くの期間と「近親関係」にあるから、交換感覚として侮りがたいものである。味覚と密接に結び付いていることはすでに知られているところだが、鼻と腸管の結びつきもあげておくべきだろう。腹部の病気の中には、無嗅覚症をひきおこすものもある。 → Covid19も腸にある種のダメージ与えるんだろうか P185 デリケートな嗅覚は、肉体労働に縁のない人々だけに備わるものだ。諸器官の間に見られる不平等性は、人々の間に存在する不平等性を反映したものにすぎない。 P226 内的独白にふさわしいこうした密やかな場が確保されてこそ、資質や客間に思うさま好きな香りを漂わせることができる。このような場のおかげで、私的空間のただなかに、香りの美学が生まれてくる。密やかな私生活の場を飾るのにふさわしいにおいの芸術の台頭と軌を一にして、香水店も発達の兆しを見せてゆく。 P250 かすかな香りを放つ、自然な女―花、というサンボリズムが次第に広まってゆくが、そこには、情動を抑圧しようとする強固な意思が働いている。 P264 香りの好みや流行には周期の短い波があって、ひたすら奥ゆかしい香りだけが求められる傾向も、時々ふっつりと途絶えることがある。というわけで、半世紀ごとに、麝香と麝涎香がしばらくの間反撃に出ることになる。 P305 (1880年になると)臭気は病の原因ではなくなり、それにつれて病気の症候研究からも、嗅覚はどんどん姿を消してゆく。

Posted by ブクログ

2014/10/11

[ 内容 ] 公衆衛生学という身体管理の言説を追いながら、悪臭を嫌悪し芳香を愛でる近代の社会的想像力を鮮やかにうかびあがらせる野心的試み。 心性の歴史のなかでもっとも未開拓の領野に挑む! [ 目次 ] 序 ジャン=ノエル・アレと悪臭追放の闘争史 1 知覚革命、あるいは怪しい臭い...

[ 内容 ] 公衆衛生学という身体管理の言説を追いながら、悪臭を嫌悪し芳香を愛でる近代の社会的想像力を鮮やかにうかびあがらせる野心的試み。 心性の歴史のなかでもっとも未開拓の領野に挑む! [ 目次 ] 序 ジャン=ノエル・アレと悪臭追放の闘争史 1 知覚革命、あるいは怪しい臭い(空気と腐敗の脅威;嗅覚的警戒心の主要な対象;社会的発散物;耐えがたさの再定義;嗅覚的快楽の新たな計略) 2 公共空間の浄化(悪臭追放の諸戦略;さまざまな臭いと社会秩序の生理学;政治と公害) 3 におい、象徴、社会的現象(貧民の悪臭;「家にこもるにおい」;私生活の香り;陶酔と香水壜;「汗くさい笑い」;「パリの悪臭」) [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

Posted by ブクログ

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