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一人の男と二人の女 福武文庫
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一人の男と二人の女 福武文庫

ドリス・レッシング(著者), 行方昭夫(訳者)

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一人の男と二人の女 福武文庫

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商品詳細

内容紹介 内容:陰の女.わが友ジュ-ディス.一人の男と二人の女.あまり愉快でない話
販売会社/発売会社 福武書店
発売年月日 1990/12/14
JAN 9784828831763

一人の男と二人の女

¥220

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2021/04/07

 短編・中編四編が収められたドリス・レッシングの短編集。思い返せば2007年の秋に山形の古書店で偶然入手したのだが、その直後にノーベル文学賞受賞の報があって驚いた思い出の一冊なのであった。だいぶ時間が経ってしまったけどこのほど読了。いずれも男女関係の物語なのだけれど、白状すれば、...

 短編・中編四編が収められたドリス・レッシングの短編集。思い返せば2007年の秋に山形の古書店で偶然入手したのだが、その直後にノーベル文学賞受賞の報があって驚いた思い出の一冊なのであった。だいぶ時間が経ってしまったけどこのほど読了。いずれも男女関係の物語なのだけれど、白状すれば、自分はどうにもこのタイプの小説は好きになれないようだ。 ・陰の女 「ある朝ローズの母親は、買い物に出かけ道路を渡ろうとして轢死した。」 冒頭がこれである。小説史上まれに見るロケットスタートであろう。しかしこの勢いある出だしとは裏腹に、読者は、労働者階級の若い女性ローズの奇妙な、というか理解しがたい行動に長々と付き合わされることになる。時とところは第二次大戦前後のロンドン。日本ほどではないにせよ、女性の人生にはまださまざまな制限があったことは読んで取れる。そこからの脱出の過程と読むことは確かに可能なのだけれど、自分の思惟や行動をきちんと言語化するようなタイプの女性ではないローズの時間を掛けた変容に付き合うのはなかなかに骨が折れた。 ・我が友ジューディス  上掲のローズとは正反対に、こちらのジューディスは女性としての生き方に自覚的なインテリである。自分の思考や感情を言語化することについても過剰なぐらいに得意。それがその分だけ自由で闊達に見えるかというと必ずしもそうとは限らないのが面白いところで、最後にひんやりした孤独の感覚が残った。イギリスから見たイタリアというのは一種の南北問題みたいな構図になるんだなあという点はちょっとした発見。 ・一人の男と二人の女  人生を謳歌するのが得意なインテリやボヘミアンの生活に揺さぶりをかける最たるものは子どもという理不尽の権化なのだろう。その前には恋の駆け引きだの人生の危機だのといった大人の事情は、逆に、なんとも児戯めいたものにしか感じられないのであった。 ・あまり愉快でない話  二組のインテリ夫婦の、必要以上に密接な関係を描いた年代記。不義とか不倫といったものはひとところに置いて目をこらすからこそ味わいが出るもののようで、四半世紀に及ぶ時の流れに置いてしまえばどれもこれもちょっとした思い出になってしまうんじゃないかという印象を持った。これで子どもたちのひとりでもタネ違いみたいなことになっていればもうちょっと痛みを伴う禍根になったのかも知れないけれど。 2020/3/30読了。

Posted by ブクログ

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