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原発はなぜ危険か 元設計技師の証言 岩波新書102
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 1990/01/01 |
JAN | 9784004301028 |
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原発はなぜ危険か
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商品レビュー
3.9
17件のお客様レビュー
この本が出版された1990年とは状況が変わり、今となっては、福島第一原発4号機の圧力容器が製造時の歪み修正によってどれだけ強度が低下していようが、その事自体は意味を持たなくなった ただ、安全に対して、どんな基準で、どんな前提条件で、どんな計算方法で、どんな意識で、あるいはどんな隠...
この本が出版された1990年とは状況が変わり、今となっては、福島第一原発4号機の圧力容器が製造時の歪み修正によってどれだけ強度が低下していようが、その事自体は意味を持たなくなった ただ、安全に対して、どんな基準で、どんな前提条件で、どんな計算方法で、どんな意識で、あるいはどんな隠蔽体質で、今ある原発が作られてきたのかを考えると、全原発即時廃炉以外の答えはなさそうだ また、最終章「原発に象徴されるもの」で説かれている 安全な原発なら良いのか エネルギー中毒とも言えるライフスタイルの継続は適切なのか という問いかけは、今改めて考えなければならないと思う
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今、多くの書店で災害や原発の関連書籍コーナーができている。しかし3.11以降に出版されたものは内容が薄い印象があるため、もっと前に書かれたものを探して買ってみたのがこれ。 発行は1990年なので21年前。福島第一原発ができてからの年数としてはちょうど現在の半分程度だった頃の...
今、多くの書店で災害や原発の関連書籍コーナーができている。しかし3.11以降に出版されたものは内容が薄い印象があるため、もっと前に書かれたものを探して買ってみたのがこれ。 発行は1990年なので21年前。福島第一原発ができてからの年数としてはちょうど現在の半分程度だった頃の本だ。しかしそこには、まるで今起きていることを予言していたような指摘が少なくない。薄いながら密度が高いため全文を引用したくなってくるが、指摘されている中で印象に残った「原発の問題点」は主に二つ。 ひとつは、数値シミュレーションを拠り所に安全係数をギリギリまで下げているが、そのシミュレーションが不完全であること。コンピュータがまだ今のように高速で安価でなかった昔は、数値計算も全体については実施できず、職人の勘と経験でポイントを絞っていたという。 もうひとつは、新しい研究により従来の安全基準に問題があるとして基準改定が何度も行われているのに、古い基準で作られた原発はそのまま運用され続けていること。現在の技術水準がいくら上がっていると言っても、40年前に作られた原発は40年前の基準と技術で作られている。 そして、「パニックを防ぐために事故情報を隠蔽するという政府の姿勢」も、「検査によって問題がみつかると基準を緩和していたこと」も、「海岸にある原発は海洋汚染の危険があること」も、本書ですでに指摘されている。福島第一原子力発電所は、20年前に指摘されていたこれらの問題点が何も改善されないまま3.11を迎えたのだ。 本書の締めくくりで著者は思想を語っている。それは、電力が不足するからといって発電設備をどんどん増強していくのではなく、エネルギー大量消費型のライススタイルを見直すことが大切だという主張だ。一度豊かな生活を味わった人がそれを捨てるのはとても難しいことだが、私たちは現在、否応なくそうせざえるを得なくなりつつあるのかもしれない。
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1990年刊行。元日立製作所子会社(原子力発電の原子炉圧力容器の製造)に所属していた著者による内部情報の提供本。材料工学や破壊力学の基礎知識が皆無なので、細かいところは読み飛ばしである。ただ、①絶対安全ということはあり得ない、②メーカーらはこれを強調しがち、③安全性検証に必要な情報開示が皆無であり、メーカー・電力会社のお手盛りを見つけるのが困難、④②と関係して、ダメ・コンの発想が皆無に等しい、⑤安全確保のための基準を、議論ないままに緩やかに変更する傾向、⑥開発時期の古いものは技術水準が低い、等はよく判る。 本書指摘のとおり、・廃棄物処理方法の未確立、・廃炉技術の不存在、・クライシス・マネージメント(ダメージコントロールともいえようか)の不備のまま、見切り発車で建設設置している状態が、半世紀ほども続いているのが現状だろう。その帰結がフクシマと見てよいはず。特に、ダメ・コンの部分は強調しすぎることはない。ライフスタイルとも関わる問題だが、避けて通れないことを本書は問題提起している。また、安全性と、納期・コストという問題を抱える民間企業とは大きな隔たりがあるとの指摘も重い意味を持つのではないか。
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