電気頭

唐十郎(著者)

• 販売会社／発売会社: 文藝春秋
• 発売年月日: 1990/05/15
• JAN: 9784163118000

商品レビュー

2013/08/29

一体どれだけ時間がかかったのっていうくらい読むのに時間がかかってしまった…。仕事の後とか、移動中にはなかなか読めんかった。

ゲーム作家がゲームに夢中になって気がついたらゲームの中に入り込んでた…ような…？っていう設定自体は、こう書いてしまえばありがちっぽい感じがせんでもないけど、やっぱり唐十郎の世界観で彩られていた。入り込むっていうより、その人の中で境界がなくなってしまっている感じ。現実にまでゲームのシナリオが食い込んでいるのか、そもそもそれは現実なんだか何なんだか。
その他の「向こう」と「こっち」の境界があやふやになる系と違って、『電気頭』は「向こう」が人工的なところが、いちばん読んでて不思議な感覚になった。

最後の「ゴーゴリの娘」よかった。
人形の服を着せ替えたら自分も変わってしまうような気がして。