うし 児童図書館・絵本の部屋手づくり絵本の本棚

井戸田修(著者)

• 販売会社／発売会社: 評論社
• 発売年月日: 1990/11/25
• JAN: 9784566004207

商品レビュー

2024/07/07

小学3年生の男の子が描いた絵本。
子どもらしい伸び伸びとした絵に真っ直ぐな文章が合わさって味わい深い絵本になっている。
最後のあとがきもクスッと笑えて可愛らしい。
平成元年に小3だから、ご本人は今40半ばだろう。
数十年の時を経ても読まれるなんて素敵。

2008/12/09

この絵本、なんと小学3年生のお友達が書いているのです。
と行っても平成元年に小学3年生だったので、現在は30歳くらいでしょうか。
もう“パパ”になっているかもしれませんね。
この絵本は第12回「日本の絵本賞」“手作り絵本コンテスト”にて《内閣総理大臣賞》を受賞した作品です。
なんだか堅苦しい賞を背負って、堅苦しい絵本なんじゃないかと思ったら大間違い。

表紙の絵のあまりの可愛さに思わずページを開いたのですが、そこには井戸田君にとっての普通の生活が実に素直に表されておりました。
絵がまた素晴らしい。決して上手い絵ではないのです。「ウチの子の方が上手いわ」なんて思わずつぶやいてしまいそうなほど、ページをめくるたびクスッとふきだしちゃいそうなほど、作者が見たままを素直に表現した味のある表情豊かな世界にほのぼのと優しい気持ちになるはずです。

『うし』本当に“うし”のお話しなんです。井戸田君の生活には当たり前に“うし”がいて、それをそのまま絵本にしちゃいました。って本なんですが、これがまたとっても素敵なんです。井戸田君がどんなに“うし”を大好きなのか素直な気持ちがよくあらわれています。
文末には、受賞者代表あいさつ「作者のことば」がおさめられているのですが、これがまた素晴らしい。必見です。

今は作家としてのご活躍はないようですが、このような形で自身の生み出した物が世に残り、20年経った今でも親しまれているということは、なんて素晴らしいんでしょう。“いい思い出”どころではありませんね。一生の宝。
「どんなことでも挑戦してみよ。」井戸田君の通った小学校の校長先生の言葉なのですが、親として子供にそう言ってあげたいものです。

是非、手にとって見てください。