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炎の人ゴッホ 中公文庫
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炎の人ゴッホ 中公文庫

アーヴィング・ストーン(著者), 新庄哲夫(訳者)

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炎の人ゴッホ 中公文庫

定価 ¥1,282

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論社
発売年月日 1990/07/10
JAN 9784122017238

炎の人ゴッホ

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商品レビュー

5

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2012/12/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

こんな人生は嫌だ。こんな空虚しかない死に際は最悪。 思い通り生きれないで死んでいった男ゴッホの物語。 ゴッホの死を以て読み終わるんだけど、これが本当にかの有名なゴッホの生涯なのか疑うほど。自分の目指す所へ一度も到達できず死んでいったんだろう。 恋も、牧師としても、そして絵描きとしても、ただ燃えるように情熱を傾けて努力し続けたにも関わらず……。 しかし、そんな「思い通りいかない人生」を魅力的に書いたアーヴィング・ストーンはやはりすごい。 史実に忠実だからこそ、ゴッホの報われない姿をありありと表現している。しかし、そんな失敗続きの人生を忠実に描いてどうしてこんなに面白いのか。 これは他の作品も読みたくなりますね。つぎはフロイトか、やっぱりミケランジェロかな。 __ p77 「フィンセント、人は誰でもその性格に誠実さという資質を持っているものだよ。(中略) それさえ失わなければ、なにをしようと、結局は実りあるものを得られる…」 どうだったのかな。まぁ死んで実ったけど、結局の遅さはただただ可哀想だね。 __ p293 「…時代の花形というのはえてして長続きしないものだ。芸術の世界では『誠実こそ最高の策』という古いことわざが真理なのだ。大衆に媚びるような器用さを身につけるより、骨を折って真面目に勉強する方がはるかに得だよ。…」 またでた「誠実」。よっぽど大事なんでしょう。 2012年末に年長者の言葉で、信じるべきものと疑うべきものの判断基準について読んだんだ。 ●年長者は若者に「勉強すればいい仕事につける。公務員なら安泰だ。」などと社会の仕組みについて教訓を述べることがある。けどどうだろう。それは30年くらいは不変の真理かもしれないが、それより先状況が一変することなんてザラにあるだろう。今はそうでも、その年寄りが死んでからもその情報が責任を持てるかは疑問。地震の一揺れ国家のバランスは崩壊するかもしれないしね。 ●年長者は若者に「人を裏切るようなことだけはしてはならない。親切は自分に返ってくる。」などと人間性に関わる教訓を述べることがある。それは歴史を見ても数百年経っても変わらないことだと分かる。 ◎つまり年長者の言葉で信じていいのは「人間性」に関わる忠告。社会は変化するものだから、それに関わることはその時代に生きる人が必死に考えて生きていく以外ないと考えた方がよいという結論です。 ここで言われる「誠実」はまさに人間性について。ゴッホよ、このことは信じていいぞ! __ p392 ゴッホ(クリスティーネにどうしてそんなにうまく描けるのかという問いに対して)「自分でもわからないんだ。感動を覚えた地点に対して…(延々と熱く語る)…~が僕に語りかけてくれたものが表現されているんだ。わかるかい?」 クリスティーネ「わかんないわ」 ここ一番好き __ p447 「彼はアーシュラやケーほど彼女を愛していなかった。クリスティーネを愛したほどの愛も感じていなかった。(中略)彼は愛というものがほとんどあらゆる人間関係を包み込むのを悟った。そしてもはや抑制も効かないほどに自分を愛してくれているたった一人の女に対して、ほとんど何の感情も湧かないという事実に、心のどこかが痛むのを覚えた。……」 恋と愛は違うんだよね。 子供は親からの愛を受けられるから恋による欲求を満たしたがる。 けれど、大人になると独り立ちしなくてはならない。それは愛の喪失とも言える。そして愛がどれだけ尊いものかを知るようになるから、大人は恋より愛の欲求を満たしたくなる。 ゴッホもこの時、それに気づいたのだろう。 __ p643 「…僕は神を、この世界によって判断してはいけないのだと、いよいよ強く感じるようになった。この世は上手くいかなかった習作みたいなものですよ。好きな画家の秀作がたまたま失敗作だった場合、どうしようもないでしょう。批評する言葉も見つからず、ただ口をつぐんでしまう。だけど、その人は何かもっといいものを要求する権利はありますよ。」 この時ゴッホはボリナージュでの経験から、この言葉を生み出すことができたんだろう。 人生うまくいかないことがどうしてもある。でも、それに甘んじる必要はなくて、もっと改善を要求してよい。そのための行動は許される。 その許しこそ神の役割である。手段は選ばない。向上心あることなら許される。 きっとそこで大事なのが「誠実さ」なんだろうね。

Posted by ブクログ

2011/06/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ゴッホといえば、「炎の人」という印象がありました。 本書が、原典だということを知りました。 ゴッホの絵は、絵を習った際に、最初に模写の対象にしました。 ゴッホの人生は、真似のできるものではないし、真似したいとは思いません。 絵だけ真似したいと思うのは無理でしょうか。ぎりぎりに思い詰めたところに美があるのでしょうか。

Posted by ブクログ

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