新とはずがたり

杉本苑子(著者)

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 1990/03/26
• JAN: 9784062048071

商品レビュー

2023/02/15

鎌倉時代といえば武士の世の中。しかし京には依然として朝廷があり、帝がいて院がいる。その宮中で育った大納言の息女、二条は少女の頃に後深草院の愛人となり、男たちに翻弄され続ける。
西園寺実兼の目を通して語られる鎌倉時代の貴族たちの生活、元寇に対する反応（の薄さ）など、興味深く読んだ。

2012/04/27

鎌倉時代に後深草院二条が記した告白本（？）「とはずがたり」をベースにした小説。西園寺実兼の視点から描かれている。

「とはずがたり」のおもしろさは二条の男性関係の奔放さ（本人が好んで奔放になったわけではない部分がありますが。）にありますが、この作品は朝廷と幕府のパイプ役である実兼を通すことによって、原本には書かれていない鎌倉時代の政治の動きもわかりやすく書かれています。

「とはずがたり」をモチーフにした小説の中では、この小説が一番好きです。