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山の音 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 1988/10/01 |
JAN | 9784003108147 |
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山の音
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商品レビュー
4.5
2件のお客様レビュー
本当に久しぶりに川端の本を読んだ。 日本的美意識といった形容の言葉に何となく違和感を感じて手にすることもしばらくなかったが、書店に積んであった本のカバーの「自身の老いを自覚する信吾。…外に女を持つ長男の嫁菊子に対する信吾の愛憐の情は、いつしかほのかな恋にも似た感情に変わってゆ...
本当に久しぶりに川端の本を読んだ。 日本的美意識といった形容の言葉に何となく違和感を感じて手にすることもしばらくなかったが、書店に積んであった本のカバーの「自身の老いを自覚する信吾。…外に女を持つ長男の嫁菊子に対する信吾の愛憐の情は、いつしかほのかな恋にも似た感情に変わってゆく。その微妙な心のひだをとらえた(略)」紹介文を見て、興味を覚え、手に取った。 まず感じたのは、こんなに簡潔で平易な文章だったのかということ。凝った修辞も殆ど使われず、淡々とした文章が続く。 60を超えた主人公信吾の目を通して、妻、女のいる長男、出戻りの長女とその子、長男の嫁など家族との関わりが描かれる。ある程度の波乱はあるが、ほとんどはちょっとした諍いや気持ちのすれ違いであり、そうした中で、信吾は、自分に対する嫁菊子の言葉や態度を見聞きして、いたいけな嫁に対して特別な感情を抱いていく。 一歩間違うと気持ち悪さを感じてしまう展開になるが、信吾の人間心理観察の精妙さ、そして折々に挟み込まれる効果的な自然描写が相まって、そうした気持ちになっていくのもごく自然に受け取れてしまう。 しみじみとした読後感であった。
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裏表紙のコピーにある、「戦後文学の最高峰に位する名作である」という一文に釣られ、そんな本が中古で105円になっている訳がないと冷やかし半分で手に取ってみた本。ノーベル文学賞受賞者とは露知らず・・無知でした。これだから中古本巡りは止められない。 古い文字使いにさえ慣れてしまえれば...
裏表紙のコピーにある、「戦後文学の最高峰に位する名作である」という一文に釣られ、そんな本が中古で105円になっている訳がないと冷やかし半分で手に取ってみた本。ノーベル文学賞受賞者とは露知らず・・無知でした。これだから中古本巡りは止められない。 古い文字使いにさえ慣れてしまえれば、あとは非常に読みやすく、ただただ美しい日本語に圧倒されるだけである。戦争を見守った世代、体感した世代、知らない世代が一つ屋根の下に住み、生きている様が描き出されその感情の儚い移り変わりがリアルに再生される。本編ほどではないにせよ、山本健吉の解説も読み応えがあり、久々に出会った「文学」、そして「名作」であった。
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