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方忌みと方違え 平安時代の方角禁忌に関する研究
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 1989/01/26 |
JAN | 9784000003254 |
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方忌みと方違え
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方忌みと方違え
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原著は1958年刊行。 改訂増補して日本語訳されたのが1989年。 方違えの研究としては、もっともまとまったもの、とされているようだ。 たしかに、基本的な知識の整理から始まる、整った研究書だと思う。 図表などもあって、わかりやすい。 もやっとした知識しかなかったから、本当に知ら...
原著は1958年刊行。 改訂増補して日本語訳されたのが1989年。 方違えの研究としては、もっともまとまったもの、とされているようだ。 たしかに、基本的な知識の整理から始まる、整った研究書だと思う。 図表などもあって、わかりやすい。 もやっとした知識しかなかったから、本当に知らないことだらけだった。 以下、部分的にではあるが、本書の内容をまとめておく。 中国から伝わった陰陽道が、11世紀末になると、日本独自の変容をともないながら、一般庶民まである程度の広がりを見せていく。 方忌み(かたいみ)は、陰陽道の教えによる、特定方角を禁忌とする考え方。 北東=鬼門、とする、恒久的なものから、絶命という、誰もが一生のうち何年か忌むもの、遊行神の巡行による一時的な禁忌と、三つのパターンがある。 よく物語などに出てくるのがこの三番目のもの。 もともと陰陽道は天体観測に基づいていたが、星の神が地上に降りてきて巡行するというのは、もはや実際の天体の運行とは関係なくなっているらしい。 遊行神には、天一(てんいち)、太白、大将軍、金神(こんじん)、王相がある。 これらの神が「方塞がり」をもたらす。 忌みは神により違いはあるが、一般的なものは方塞がりの方向での宿泊の禁忌。日中にその方向に動く場合は、宿泊は避けねばならない、とのこと。 大将軍は、工事、建築、転居、結婚、出産、仏供養と墓作りの忌みがあったらしい。 出産って…産まれるときには産まれちゃうんだが、どうするんだろう? それぞれの神については、次のようらしい。 天一…60日周期で回転。16日が天、北東、南東、南西、北西の順に6日、さらに四方に5日ずつ滞在。 太白…金星。十日に一度回転。四方と北東、南東、南西、北西に一日ずつ滞在、9日目に地に入り、10日目に天に昇る。 大将軍…金星の精。主回転は12年周期。三年ずつ四方に留まるが、副回転がある。60日周期のうち、5日間は主回転で留まっている四方に戻され、非常に複雑な動きをする。 金神…太白と大将軍の合わさった気から発した神。動き方はその二つの神に準ずるらしい。 王相…季節に関わる。(「太陽年の中で占星術的回転」とフランクは書いているが、何のことかよくわからない)春には東、夏には南…と巡回する。 で、文学作品や日記でもお馴染みの「方違え」。 移動が忌みの方向に当たる場合、迂回することなのだが、必ず夜のうちに動くことが必要だ。 「本所」(普段の住居)に忌みがかかってしまうと、いろいろな活動が制約されるため、前夜に移動し、その「旅所」に忌みがかかるようにしてしまうのだ。 そして、一度この操作をしたら、その忌みの期間は有効になる。 節分の方違えは、王相に関わる禁忌。 特に春の節分が重要なのは、太陽年の始めにあたるためだそうだ。 そして、この方違えをすることで、他の忌みがいくつもクリアできる効力があったらしい。 だから、皇族も貴族もこぞって節分の方違えをしたということだ。 意外なのは、方違えのための場所は、寺社がよく利用されたということ。 そのために、京都の寺社は立派な建物を作るようになったと言うことだが。 源氏の空蝉のところや、枕草子の「すさまじきもの」章段を見ていると、個人宅に行くのが多いのかと思っていた。
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