ベルイマン自伝

イングマールベルイマン【著】, 木原武一【訳】

• 販売会社／発売会社: 新潮社
• 発売年月日: 1989/01/20
• JAN: 9784105210014

商品レビュー

2024/02/07

「ベルイマン自伝」
幼少期の頃からおそらく執筆している時期（映画監督引退後）まで印象に残った時期やその時感じた想いを思い浮かぶまま順序関係なくつらつら書いている。風景や小物などを事細かに書き記す感じが、とても幻想的で象徴的な文章になっていて映画を彷彿とさせる。
「映画はドキュメントではなく夢」という捉え方。
鋭い人間観察から生まれる強烈な心理描写を幻想のように描き出す作風はこの考えからきてるのか、名前が上がる監督になるほど納得。
好きな監督ばっかり笑
ベルイマン自伝読んでると「神経すり減らすからあっちが痛くなる、胃腸が弱い、すぐ下痢になる」とか「いいシーンなんて1日ひとつ撮れたら奇跡」「やりたいことが全くできない」「どうせ俺なんて」みたいな愚痴が飛び出してきて「タルコフスキー日記」を思い出したりしてとっても楽しいです。

2020/06/07

こんなに赤裸々に綴っていいものだろうか。芸術家は自分自身をさらけ出してこそ、というのを思い知らされる一冊。

2007/05/06

自分の作品を批判した批評家が落ちぶれているのを見て一瞬同情して仲直りしてもいいかと思いかけ、すぐ「こいつは不倶戴天の敵ではないか。野垂れ死にしたところで何を同情する必要があるだろう。こいつはかつて書き散らした駄文の報いを受けているのだ。死んだら墓の上で踊ってやろう」と書くのです。これがもう、ベルイマンなのです。リヴ・ウルマンとの同棲生活のうち家庭内暴力については「彼女の言う通りである」で済ませてあるのもズルいところ。