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新・学問論 講談社現代新書936
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新・学問論 講談社現代新書936

西部邁【著】

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新・学問論 講談社現代新書936

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 1989/02/20
JAN 9784061489363

新・学問論

¥220

商品レビュー

3

6件のお客様レビュー

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2010/05/28

崩壊しつつある「学問…

崩壊しつつある「学問」をうれいた書。アカデミズムとは何か。大学のそして学問の未来を考える。ちょっと高尚であるので、個人的にはきつかった。

文庫OFF

2020/03/23

学問領域の境界を決定付ける要因は何なのか?この問いに答えられる人はどれだけいるだろうか?私は長年この問いに悩んでいて数多の大学関係者に問うた事があるが、まともな回答を得られた事がない。が、本書を読んでようやく霧が晴れたような気がした。その答えは「人間観の公理」である。 また、著者...

学問領域の境界を決定付ける要因は何なのか?この問いに答えられる人はどれだけいるだろうか?私は長年この問いに悩んでいて数多の大学関係者に問うた事があるが、まともな回答を得られた事がない。が、本書を読んでようやく霧が晴れたような気がした。その答えは「人間観の公理」である。 また、著者は専門主義のタコツボ化を危惧し、共通公理(基本論)を提唱する。それは「言語人としての人間観」である。また言語を巡る懐疑と信念の平衡のための知恵としてガダマーやリクールの解釈学(歴史的了解)の活用を提唱する。このようなトータリティー(学際的)なアプローチの重要性は叫ばれつつも一向に実現される気配がない。つまり、専門主義者は学問領域の境界などという問題を考える事すらしない証左でもある。 さらに著者はポストモダンの相対主義の跋扈を批判し、究極的価値への志向性を肯定する。この答えは慣習や伝統であり、著者の保守性の現れでもある。私自身、相対主義の洗礼を受けているので耳の痛い話でもあり、また究極的価値を否定したい気持ちも残ってはいる。が、著者の言う究極的価値に硬直性はない。パースを引き合いに出し「諸科学の科学」を重視している点はプラグマティズム的要素も感じられる。 本書は中沢新一採用問題で著者が東大を辞めた直後に書かれた本で、大学(学問・学者)への危機感が随所に表れているが、出版された30年以上前の状況と現在は何も変わっていないどころか、さらに悪化しているようにすら思える。

Posted by ブクログ

2014/02/26

著者は、解釈学における先行把握の必要性や、ウィトゲンシュタインの意味の使用説、科学哲学における観測の理論負荷性、クーンのパラダイム論など、さまざまな哲学的知見に依拠して、伝統と言葉の重要性を論じています。とりわけ人文・社会科学においては、対象が価値や規範といった意味的な次元に関わ...

著者は、解釈学における先行把握の必要性や、ウィトゲンシュタインの意味の使用説、科学哲学における観測の理論負荷性、クーンのパラダイム論など、さまざまな哲学的知見に依拠して、伝統と言葉の重要性を論じています。とりわけ人文・社会科学においては、対象が価値や規範といった意味的な次元に関わっているため、言語の重要性は際立っていると著者は言います。 一方自然科学は、対象の特定の側面を切り取って分析するものであり、対象の全貌を明らかにするものではありません。また、学際的研究と呼ばれる活動は、往々にして個別科学の成果をつなぎ合わせたものにすぎず、対象のトータルな把握を可能にするものではないと著者は論じます。さらに著者は、特定の見方がとめどなく拡大するとイデオロギーになり、さまざまな見方の並立状態がポストモダン的な相対主義に陥ることを明らかにします。 こうした学問の閉塞状況を打開するためには、「言語人」(ホモ・ロクエンス)という立場から、対象を特定の視点から切り取る個別諸科学を共約可能にし、コミュニカティヴにすることが求められていると著者は主張します。 確か著者が東京大学を辞任したのは、中沢新一を招聘する人事を、ウェーバー研究の泰斗である折原浩らが潰したことに端を発していたと思いますが、そうした大学のあり方に専の分化とそれに伴う閉鎖性を感じたことが、本書の執筆の動機となっていることが見て取れるように思います。

Posted by ブクログ

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