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汽車旅は地球の果てへ 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 1989/11/10 |
JAN | 9784167331030 |
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汽車旅は地球の果てへ
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商品レビュー
3.5
4件のお客様レビュー
南米から北欧、アフリカに至るまで世界各国の鉄道乗りまくり記。 なんと言っても白眉はアンデスのチクリオ峠越えで、片肺の宮脇氏が文字通り命がけで挑んだ執念と感動が読者の手に取るように伝わってきます。 よく、宮脇氏の文章の魅力として、枯淡の境地、とか感情を排した、といった表現を使う向...
南米から北欧、アフリカに至るまで世界各国の鉄道乗りまくり記。 なんと言っても白眉はアンデスのチクリオ峠越えで、片肺の宮脇氏が文字通り命がけで挑んだ執念と感動が読者の手に取るように伝わってきます。 よく、宮脇氏の文章の魅力として、枯淡の境地、とか感情を排した、といった表現を使う向きが多いのですが、本書を初めとした海外紀行の場合は時に感傷的になったり、はしゃいだりと氏の違った一面が垣間見えて微笑ましくもあります。 どちらを好むかは読者それぞれで、正直自分自身も国内派なのですが、娘の灯子さんのようにかつては海外物しか読んでいなかったという方もおり、こういった見聞録的な著作がファン層を広げた事もまた確かかと思います。
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宮脇俊三氏の海外鉄道紀行シリーズも、ますます秘境度が高まつて参りました。タイトルも『汽車旅は地球の果てへ』と、大きく出ましたね。球体である地球に果てがあるのかどうか、わたくしには良く分かりませんが、まあ本書の雰囲気を端的に表現してゐると申せませう。 本書には6篇収録。まづは「ア...
宮脇俊三氏の海外鉄道紀行シリーズも、ますます秘境度が高まつて参りました。タイトルも『汽車旅は地球の果てへ』と、大きく出ましたね。球体である地球に果てがあるのかどうか、わたくしには良く分かりませんが、まあ本書の雰囲気を端的に表現してゐると申せませう。 本書には6篇収録。まづは「アンデスの高山列車」。憧れのペルー中央鉄道のルポであります。高山過ぎて、並の日本人がイキナリ行くと、高山病にかかり危ないのですが、よりによつて宮脇氏は若い時に肺結核を患ひ、片肺状態なのださうです。肺活量は人並み以下で、階段を上るだけで息切れがする体質で、とてもペルーの高所に堪へられさうにないのですが、「死ぬ確率が三分の一ぐらいなら行きたいのですが」と医者に訴へ、強引に許可を得ます。医者も「行くなと言っても、聞き入れそうもない顔をしてらっしゃるし」と諦め顔。 幸い汽車旅では呼吸困難に陥ることはなく(ホテルでは酸素ボンベのお世話になりましたが)、列車内では演出で酸素吸入器を使用し、撮影させる余裕もありました。 普段は鉄道一辺倒で、観光にはまるで興味を示さぬ宮脇氏も、さすがにペルーでは「マチュピチュ」に興奮してゐます。いいなあ。 続いて「人喰鉄道・サバンナを行く」。人喰人種がゐる訳ではなく、アフリカのウガンダ鉄道の話であります。当地を植民地としてゐたイギリスが建設したのですが、その酷薄な労働条件により、多くの人命が失はれたさうです。極寒・猛暑はもとより、マラリアなどの伝染病、そして猛獣たちの襲来により絶命した労働者たちの多さから「人喰鉄道」と称されたやうです。 特筆すべきは、本稿の最後に、数ページに渡つて現地の写真が掲載されてゐることです。宮脇氏は自著に写真を入れる事を頑なに禁じてゐます。写真や図解を入れると、自分の文章の敗北だと感じてゐたやうです。実に珍しい例外であります。 他に、「フィヨルドの白夜行列車」「ジブラルタル海峡を渡る」「ナイル川の永遠」「オーストラリア大陸横断列車」と、中中日本人が気軽に乗れない鉄道に、編集部の力を借りて乗つてをります。かうして見ると、「地球の果てへ」といふフレイズも、あながち大袈裟ではありませんね。それぞれの旅が一冊の単行本として発表されてもいいくらゐの内容・密度であります。これらを一冊に纏めてしまふのは何だかもつたいないなあと感じるところです。 いづれにせよ、この時代の宮脇俊三は最強ですな。 デハデハ。機会が有れば又。 http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-628.html
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電車好きでなくても旅行で読んで欲しい。白夜の北欧の旅は最高でしょう。手にしている本は、1989年の第一刷を中古で買ったが、重版にならなかったのかしら?
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