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英語対訳版 サラダ記念日 河出文庫
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英語対訳版 サラダ記念日 河出文庫

俵万智【著】, J.スタム【訳】

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英語対訳版 サラダ記念日 河出文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 1989/10/04
JAN 9784309460659

英語対訳版 サラダ記念日

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2018/02/24

英語になつたらどうなるのか。短歌といふ形式だけでなく、彼女のもつ生活を捉へる文体はどうなるのか。表現の在り方をみてみたくて。 日本語の中で生きてきたため、それほど深く考へなかつたことだが、英語に直すといふことはさういふことに気づかされる。 今これを語り、見つめるのは誰かといふ視点...

英語になつたらどうなるのか。短歌といふ形式だけでなく、彼女のもつ生活を捉へる文体はどうなるのか。表現の在り方をみてみたくて。 日本語の中で生きてきたため、それほど深く考へなかつたことだが、英語に直すといふことはさういふことに気づかされる。 今これを語り、見つめるのは誰かといふ視点の問題。動作に伴ふ客体の存在。ひとりなのか、複数なのか。英訳を見るとさいふものを同定しないと書けない言語なのだと感じられる。 「さよならという一語がある」にaware thatをあてるなど。 音の問題もある。「菜種梅雨」の歌。音のもつやさしさを英語に訳すのは苦心したことであるだらう。duかzuか。ローマ字的にはduだが、発音的にはzuでないと正確ではない。 白菜の「うっふんうっふん」もさうである。この場合は音よりもその妖艶さをとつたやうだ。 他にも「弥生三月さよならの月」にmonthとmoonをそれぞれ当ててゐるところ。同じ音だとどちらであつてもとれてしまふが、ことばが違へばさうはいかない。 翻訳がどこを目指すのか。この短歌を書いた俵万智といふひとりの人間の感じた心・世界を伝へる上で、この翻訳は最善を尽くしてゐると感じた。訳者は、筆者はこの時どうなのかといふ点をかなり強く意識して訳したことがわかる。 しかし、短歌を読んだ人間がここから何を想像し拡げていくのかといふ点において、翻訳は苦しい。もしかすると翻訳ではさういつたことを起こすことは不可能なのかもしれない。 訳されたものを読むといふことは、訳者と原著者の対話によつて形成された共同作業だ。海外のことばだけでなく、古典もしかり。触れられるなら直にそのことばを感じられるのがいい。 けれど訳によつて生まれる意外性、気づき、偶然性と必然性。創造の拡がりを具に感じられるのもまた心地よい。

Posted by ブクログ

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