交渉力入門 日経文庫418

佐久間賢【著】

• 販売会社／発売会社: 日本経済新聞社
• 発売年月日: 1997/10/13
• JAN: 9784532014186

商品レビュー

2010/05/28

ウィン・ウィン交渉と…

[文庫ＯＦＦ]

ウィン・ウィン交渉とか、ゼロ・サム交渉とかっていったい何…？と思っていましたが、この本を読んではっきり理解できました。交渉にもいろんな種類があったんですね！交渉の種類の説明からはじまって、それを実際のビジネスの現場ではどう役立てられるか具体的に説明しています。これ一冊読めば、交渉力についてだいぶ深い知識が得られると思います。ビジネスに限らず、コミュニケーション力をアップしたい方に役立つと思います！

2018/03/01

昔買って積読だったものを発掘。
交渉とは、話術とかプレゼンとかそういうことでなく、利害が異なる相手に代替案を提示して、お互い損のない納得点を探り落とし込むこと。そのために情報を探り合い、相手の反応へのシナリオや打ち手も準備して全て冷静に対処するための戦略を立てておく。
エピソードは古いものの、ちょうど仕事でコンフリクト状態に直面してたりしたのでかなり参考になった。

2015/09/19

利害関係の異なる人とは共存できないという前提のもと、交渉によってこの利害関係の調整をする必要がある、というのがこの本の主旨。相手も自分も得をするための交渉能力を身に着けるのは、確かに仕事をするうえで有益です。

交渉とは何か、交渉する力とは何か、という基本の部分から入り、相手を助けるような材料を提供すること、相手の攻撃に耐えなければならないこと、戦略を持って意思決定をしていくことなど、具体的な方法についても触れられています。
国際交渉においては、これらに加えて「代替案を提示すること」が重要であるとされています。また、日本と欧米の性質の違いとして、欧米は「対立するのが当然で、そこから合意できる場所を探す」のに対し、日本は「まず合意点を見つけ、そこから話を進めようとする」というポイントが挙げられていて、あぁなるほどなぁと思いました。今は欧米以外にも交渉相手がたくさんいますが、こうした大きな性質の違いを踏まえておくことは重要です。

本書を通じて、著者は何度か「相手と信頼関係っを築くことが重要」と述べています。特に、利害がぶつかり合うような交渉の場において、それは必須であると。実践するのは難しいかもしれませんが、信頼関係があるからこそ、そこに双方に利益をもたらすような解決策が生まれてくる、という理論には説得力があります。

自分が実践するにあたっての技術的な部分についてはやや記述が薄いので、そこが残念ですが総じて面白い本だと思います。