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精神の政治学 作る精神とは何か Fukutake Books13
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精神の政治学 作る精神とは何か Fukutake Books13

今村仁司【著】

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精神の政治学 作る精神とは何か Fukutake Books13

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 福武書店
発売年月日 1989/10/16
JAN 9784828833125

精神の政治学

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2019/06/13

ポストモダン思想の概説と、学校やマス・メディア、政党と組合、老いなどの具体的なテーマにかんする議論のほか、、著者の「生産的理性批判」について語ったエッセイが収録されています。 啓蒙的理性は、人間の内部と外部を区別したうえで、内部の外部からの解放を推し進めてきました。たとえばヘー...

ポストモダン思想の概説と、学校やマス・メディア、政党と組合、老いなどの具体的なテーマにかんする議論のほか、、著者の「生産的理性批判」について語ったエッセイが収録されています。 啓蒙的理性は、人間の内部と外部を区別したうえで、内部の外部からの解放を推し進めてきました。たとえばヘーゲルは、こうした精神の自由の高まりゆくプロセスを描き出しており、主人と奴隷の弁証法に象徴されるように、理性がみずからの前に立てた「対象」を止揚して、最終的に絶対化された「精神」にいたるプロセスが示されています。しかし、啓蒙的理性がみずからの前に立てる「対象」とは、主体によって表象された対象であり、対象化とは、生ける現在を過去に転化する行為にほかならないと著者は述べます。こうして、ヘーゲルがえがいたのは、精神が自分の生み出した作品と「和解」するプロセスだったと理解されることになります。 こうした「制作」をモデルとする理性を批判したのはハイデガーでした。しかしハイデガーの形而上学批判は、「存在」の語る声に耳を傾ける神秘的な思索へ向かっていくことになります。これに対して著者は、現実のなかで働く制作的な理性についての系譜学的な考察を展開しようと試みます。 ドゥルーズ=ガタリは、「エディプス・コンプレックス」という概念によってリビドーの経済を家族という枠組みのなかに封じ込めてきた精神分析を批判し、欲望のエネルギーをいっそうマテリアルなレヴェルにまで解体することで、多面的な流動を実現しようと試みます。しかし、ドゥルーズたちはなぜ多面的な流動からヘーゲル的な弁証法が生まれてきたのかを分析していません。セールも、秩序以前の生成過程である「ノイズ過程」に、この世界のいっさいをつらぬく荒ぶる力としての「多様性」を見ようとするものの、ノイズ過程から秩序を創設する「暴力」の存在には触れられていません。この暴力に対して批判的なまなざしを注いだのがベンヤミンだったと著者はいい、現在成立している秩序の背後にひそむ暴力を明るみに出すレトロスペクティヴなベンヤミンの考察が、同時に新たな可能性を開くプロスペクティヴな意義を帯びていると論じられています。

Posted by ブクログ

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