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消費税の呪い 日本のデモクラシーが危ない カッパ・ビジネス
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 1989/07/31 |
JAN | 9784334012359 |
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消費税の呪い
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――――――――――――――――――――――――――――――○ 重税は誰も嫌う。増税と聞いただけで飛び上がる者もいる。が、民は重税にも耐えるというのである。(…)それが徴税の不公平となると、根本的にちがってくる。それは不公平であるだけでなく、不正でもあるからである。とくい、デモク...
――――――――――――――――――――――――――――――○ 重税は誰も嫌う。増税と聞いただけで飛び上がる者もいる。が、民は重税にも耐えるというのである。(…)それが徴税の不公平となると、根本的にちがってくる。それは不公平であるだけでなく、不正でもあるからである。とくい、デモクラシー諸国においては致命的である。21 ――――――――――――――――――――――――――――――○ 大平内閣は一般消費税の導入を試みた。(…)重大なことは、かくも決定的な争点が総選挙に持ち出されることが躊躇われたことであった。これが、致命的後遺症を残した。大平首相も自民党も大蔵省も、日本国民を信用していなかったのである。31 ――――――――――――――――――――――――――――――○ 消費税の必要さを国民に説得して納得してもらう。一般消費税とは何か。苦しいことでも諄々と説明する。(…)「所信表明演説」において所信を表明せず、ただオドオドと、確信はないけどちょっとこれくらいいいじゃないかと、新税導入にちょっぴりふれた。なにかコソコソとわるいことでもするみたいに。33 ――――――――――――――――――――――――――――――○ 大型間接税はその後、夜行性動物となった。日の当たる場所において堂々と討論されることはなく、暗い所でひっそりと取り扱われることが習慣となった。税金論争が暗闇の生き物となりはてるとは。税金こそ、デモクラシーの血液ではなかったか。35 ――――――――――――――――――――――――――――――○ 大平内閣の一般消費税。中曽根内閣における売上税。なんでかくもみじめに失敗したのか。その本当の原因について、少しは考えたことがあるのか。その答えをひとことでおおえば、左のことにつきる。税制改革案のすべてを、そのすみずみにいたるまでをすべてあきらかにして、議会を解散すべきであった。82 ――――――――――――――――――――――――――――――○ たとえば、かの原敬。原敬が首相の時代。普選運動は大きなうねりになっていた。即時、普選を実施すべし。これが、民意だと。原首相、決断した。さらば民意を問わん。紫の袱紗が議場にはこばれてきた。原首相は、与党優位にもかかわらず、議会を解散したのであった。解散の結果、原首相は以前にもまして与党の圧倒的優位を獲得したのであった。83 ――――――――――――――――――――――――――――――○ アメリカなどでは、裁判においても、素人たる陪審員が、最終的決定を下すのが原則である。(…)当然弊害も多い。川島武宜教授は質問した。なぜにかくも弊害の多い制度を存続せしめるのか、と。アメリカの専門家は答えた。裁判の権威を、最終的に人民におくために、と。デモクラシー原理の貫徹は、幾多の弊害にもかかわらず、なされるべきだ。こういうことなのである。これと正反対なのが関東軍主義。おれたち軍人は戦争のプロだ。素人がゴチャゴチャいうなよ。126 ――――――――――――――――――――――――――――――○ 自分たち以外にも国を救える者がありうる。それらの人々とは、自分たちと意見がちがうかもしれない。が、問答によって意見の調節ができるかもしれない。このことは決して、青年将校や右翼の志士の意識にのぼることはなかった。かかる思想と行動とが、そっくりそのまま自民党税調と大蔵省主税局とにひきつがれて今日にいたっているのである。131 ――――――――――――――――――――――――――――――○
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