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一家の主 ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 1989/03/01 |
JAN | 9784480023032 |
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一家の主
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肺病(結核)を患って肋骨を5本取った、会社員で小説家の主人公圭一と、これまた小説家の妻春子との、貧乏だけれども満ち足りた生活。 1年に1回以上引っ越しをする圭一・春子夫婦は、お金もないのにアパートを転々とし、借金を繰り返しながら同人誌を出版するような生活をしている。一方で、仕事...
肺病(結核)を患って肋骨を5本取った、会社員で小説家の主人公圭一と、これまた小説家の妻春子との、貧乏だけれども満ち足りた生活。 1年に1回以上引っ越しをする圭一・春子夫婦は、お金もないのにアパートを転々とし、借金を繰り返しながら同人誌を出版するような生活をしている。一方で、仕事に関しては、結核上がりということもあって、最低限で細々と暮らしている。骨と死体ばかりをテーマにした小説ばかり書いている圭一だが、ある時、芥川賞候補に推薦されたという知らせが舞い込んでくる。 結核上がりで奥さんも作家。これ吉村昭氏だよねえと読んでいるが、時代がよくわからないのと、他の吉村作品のようなぶん殴られるようなパワフルさがないし、作中の圭一もそれほどでもなさそうなので、ひょっとしたら違う人?いやいや、などと迷いながら読んでいたら、最後にやはり本人であることが書かれていた。 あとがきにも書かれているが、吉村昭氏のいつものスタイル(歴史上の人物をパワフルに描く)とはかなり異なり、「ユーモア作品」というところもあるため、異色な作品であろう。 また、明るい貧乏生活を描くのかと思いきや、家を買ったり、子供が生まれるドタバタを書いたりと、ものすごいなにかがあるわけでもなく、あるとすると圭一の芥川賞候補、妻春子の直木賞候補での一喜一憂(すべて選外)というところか。 結局、奥さん(津村節子)が芥川賞を取り、本人は取らなかったことは書かれていないが、先に知っていたら、結構自嘲的な部分も見られたのかもしれない。 吉村昭の初期作品群を知らなかったため、新鮮な読後感ではあったが、知っていたら知っていたで楽しめる作品であろう。
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吉村さんの自伝的小説。家庭内での奮闘振りがよくわかる。吉村さんが「主」の地位を守ろうと振る舞えば振る舞うほど、奥様(節子さん)の大物っぷりが目立ってしまうのが、とても面白かった。夫が失敗したり、自分中心で物事を決定したりしても「眼に涙をためながら笑」って送り出せるなんてすごいよー...
吉村さんの自伝的小説。家庭内での奮闘振りがよくわかる。吉村さんが「主」の地位を守ろうと振る舞えば振る舞うほど、奥様(節子さん)の大物っぷりが目立ってしまうのが、とても面白かった。夫が失敗したり、自分中心で物事を決定したりしても「眼に涙をためながら笑」って送り出せるなんてすごいよー。吉村さんのことと彼がその先に起こす行動、もう完全掌握。吉村さんもうっすら分かっているから、尚更「俺が家長」だって思いたくなるんだろうね。そもそもそこに情熱を燃やすことも、女からしたら子供っぽいんだけれど。男の矜持ってムズカシイ笑
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