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仕掛けとしての文化 講談社学術文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1988/03/10 |
JAN | 9784061588233 |
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仕掛けとしての文化
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1974(昭和49)年から1980(昭和55)年にかけて新聞・雑誌等に発表された、かなり雑多な文章を集めたもの。 一つ一つの文章は非常に短く3,4ページ程度のものがほとんど。ちょっとした批評文も多く、様々な対象について書かれているが、この時期の著者の関心が高かったのか、サーカ...
1974(昭和49)年から1980(昭和55)年にかけて新聞・雑誌等に発表された、かなり雑多な文章を集めたもの。 一つ一つの文章は非常に短く3,4ページ程度のものがほとんど。ちょっとした批評文も多く、様々な対象について書かれているが、この時期の著者の関心が高かったのか、サーカスとピエロに関する言及が多い。特にフェデリコ・フェリーニの「フェリーニの道化師」に強い感銘を受けたらしい。どんな映画だったかよく覚えていないので、今度また見てみよう。 このような雑文集でいつも山口氏は雑食的で多岐にわたる博識を披露するが、それぞれの文章が短いので当然、テーマへの論理的追求があまり深まっていかないという印象が生まれる。が、こうした多様性をすべて包含した山口昌男氏という個人が存在したということを想起せずにはいられない。こんなに凄い学者はもうあまりいないのではないだろうか。現在テレビに出てくるような「識者」はもっと知の底が浅いような気がする。
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著者がさまざまな雑誌などに発表した、エッセイや諸表などの文章をまとめた本です。 収録されている文章の多くは5ページ前後の短いエッセイであり、これらの文章から著者の思想の全体像をうかがい知ることはむずかしいように思いますが、たとえば著者の中心的なテーマのひとつであった「道化」をめ...
著者がさまざまな雑誌などに発表した、エッセイや諸表などの文章をまとめた本です。 収録されている文章の多くは5ページ前後の短いエッセイであり、これらの文章から著者の思想の全体像をうかがい知ることはむずかしいように思いますが、たとえば著者の中心的なテーマのひとつであった「道化」をめぐる考えかたを下敷きにして、演劇や映画について語っているエッセイなどは、興味深く読むことができました。 著者の思想がもっとも理論的に掘り下げて論じられている著書は『文化と両義性』(岩波現代文庫)ではないかと思うのですが、著者の本領はそうした理論的な考察よりも、多種多様な文化現象を駆け抜けながら、個々の思想家についての論考などによってはなかなか見えてこない精神史的な水脈を浮かびあがらせていくところにあるのかもしれないと感じます。 こうした著者の姿勢がうかがわれるのが、「小林秀雄『本居宣長』を読む」というタイトルの論考です。このなかで著者は、「歴史家」に対する小林の批判をとりあげて、「小林の批判が向けられているのは、むしろ「歴史学者」であって、林達夫がそれと厳しく一線を画して自らを規定しようとする「歴史家」ではあるまい」と述べています。そのうえで著者は、原広司の「もの」という概念をめぐる論考を参照して、「あやしき」もの、「かしこき」ものへと向かっていった宣長のまなざしを受け入れながらも、小林よりも自由に精神史を泳ぎわたるような思索の可能性を追い求めているといえるように思います。
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