風葬の教室

山田詠美【著】

• 内容紹介: 内容:風葬の教室.こぎつねこん
• 販売会社／発売会社: 河出書房新社
• 発売年月日: 1988/03/25
• JAN: 9784309005027

商品レビュー

2020/05/05

大好きな本。
いじめられっ子の大人びた少女 杏が、いじめっ子たちを軽蔑しながら心の中で殺していく話。
だれも味方がいなくて死にたくなるような状況でも、1人で生きていく術を確立している杏が素晴らしいと思った。
人から正しくないことや悪いことをされた時、わたしも杏のように、その人をハッとさせたい。

2020/02/10

図書館で借りました。
発言小町と言うサイトのコメントで知りました。

学校と言う小さな大国で右往左往する小さな子供と、大人の浅はかさのお話。
いじめなんてするつもりも、してるつもりもなくても、こんな事で今立っている足場が崩れていく模様が小学五年生の本宮杏によって語られます。

たまに学校の授業に使われた話も聞きます。
学校に是非、置いてください！

2015/08/18

いつかの国語のテストに、｢風葬の教室｣が使われていて、それが初めて読む山田詠美だった。面白くて当時はテストを忘れてしまったくらいだった。「いじめ」の首謀者の女子の気持ち、それに加担する生徒の心理、そして楽なほうへと流され杏に冷たく当たる女教師の言動。それを客観的に分析しつつも、達観できるわけでもなく、小学生らしい感情で傷つく杏。そのアンバランスさが魅力だった。実際にいじめる人間を軽蔑することで平気になれるかどうかはわかないけれど、ラストの風葬の描写は、心にザワつきを感じさせる印象深い文章で、やはり山田詠美好きだな、と再度感じるほどだった。同時収録の「こぎつねこん」では、親や男のぬくもりや安心感の中で感じる孤独や恐怖を短いページの中でサラッと書かれていた。