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ぼくはビート
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商品詳細
内容紹介 | 内容:成人向き毛布.You know who.黒い絹.ぼくの愛は韻をふむ.ダブルジョイント.クロゼットフリ-ク.誕生日.Green.ぼくの味.ぼくはビ-ト |
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販売会社/発売会社 | 角川書店 |
発売年月日 | 1988/08/20 |
JAN | 9784048725026 |
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ぼくはビート
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
こんなにもドキドキしながら読み進める小説に初めて出会った。こんな表現もあるんだと引き込まれていった。
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山田詠美の【ぼくはビート】を読んだ。 この本の初版発行は昭和63年なので僕が10歳の時の本。 いまなお、文壇の前線で活躍している山田詠美の実力の原点が垣間見える作品であった。 僕と山田詠美との出会いは僕が高校生の時。古本屋でみつけたその単行本のタイトルに惹かれて手に取っ ...
山田詠美の【ぼくはビート】を読んだ。 この本の初版発行は昭和63年なので僕が10歳の時の本。 いまなお、文壇の前線で活躍している山田詠美の実力の原点が垣間見える作品であった。 僕と山田詠美との出会いは僕が高校生の時。古本屋でみつけたその単行本のタイトルに惹かれて手に取っ た【ぼくは勉強ができない】(新潮文庫)は、高校生の僕に衝撃を与えた恋愛小説だった。 山田詠美はそれ以来のファンである。 黒人を題材とした恋愛小説が多く、その内容には人によっては「もう、おなか一杯です」という人もいる かも知れないが、作家を目指す今となっては結構勉強になることが多い作品ばかりだ。 短編小説の書き方を学ぶ上で僕にとって、浅田次郎に並ぶ師匠(勝手に)でもある。 【ぼくはビート】には 「成人向き毛布」 「YOU KNOW WHO」 「黒い絹」 「ぼくは愛の韻を踏む」 「ダブルジョイント」 「クロゼットフリーク」 「誕生日」 「GREEN」 「ぼくの味」 「ぼくはビート」 の10編が収録されている。山田詠美の場合、先に述べたように黒人を題材とした恋愛小説が多いため か、日本人の僕にはこっぱずかしいアメリカナイズドされた恋愛感が目立つ。だが、レデイファーストの 精神や気遣いの仕方など日本人にはない感覚が所狭しと書き立てられて、読んでいて面白い。 余談だが、山田詠美は横浜の米軍基地の側で生まれ育ち、夫もアメリカ人である。 描かれるのは「大人の恋愛」が多く、いかに「いい女」や「いい男」を捕まえて素敵な夜を過ごすかにつ いて作者の想いや考えの片鱗が垣間見える。たとえ外国人でも人間である以上、恋愛に対する悩みや葛藤 は僕達日本人と同じである。恋は万国共通なのだ。 「大人の恋愛」である以上、セックスは付き物であって、山田詠美の小説を読んでいると「愛する人との セックスってこんなにも素敵なものなんだな」と思わず感嘆してしまう。表現も直球的なものもあるが、 なぜかいやらしくはない。それは、きっと「愛」があるからであって「淫靡な美学」であるからだろう。 ひとつだけ言わせてもらえば、「誕生日」と題された作品が収録されているが、これは日本人を主人公 (黒人も登場するが)としたコメディチックな短編であるが、これは苦笑いするしかなかった。一言でい うなら「はちゃめちゃ」。たぶん遊び感覚で書いたんだろうな、と一見してわかる。他の収録作品と空気 が違う。 18年前に発表された作品であっても今の時代に蘇り読んでも頷けるのは、やはり山田詠美の筆力なのだ ろうか。
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