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バンディッツ
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バンディッツ

エルモアレナード【著】, 高見浩【訳】

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バンディッツ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 1988/07/20
JAN 9784163103709

バンディッツ

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商品レビュー

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2024/03/10
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※このレビューにはネタバレを含みます

題名の『バンディッツ』は“盗賊”の意味で、本作では主人公ジャックと元修道尼のルーシー、そしてかつて刑務所仲間だった元銀行強盗のカレンと元警官のロイたち一行を差す。 最初読んだ時はレナードにしてはストレートな設定だなぁと思った。 ジャックが強盗団を結成すべく、ムショ仲間を仲間に引き入れ、大佐の金を強奪するという方向性が早くも見えたからだ。この前に読んだ『スティック』は思いつくままストーリーは流れ、なんとも掴みようがなかっただけに、この明解さには正直驚いた。 しかしやはりレナードはレナードである。一筋縄では参りません。 この強奪計画が判明した106ページから誰が423ページの結末を予想できるでしょう? ネタバレだが、大佐の一行の1人フランクリン―殺人を厭わず、銃を前にしても自らの運命を受け入れ動じない一種独特の人生哲学を持ったキャラクター。こいつがなんともいい味を出している―がジャックたちの宿敵なるだろうと思っていたら、ジャック側に寝返り、ルーシーの宿敵ゴドイ大佐はフランクリンに側近のクリスピン共々射殺され、仲間の強面ロイが強奪計画のリーダー的存在かと思えば、大した働きもせず、逆に最後強奪した110万ドルを持っていこうとしてルーシーに撃たれてしまう。 いやぁ、ものすごいね、こりゃ。人間という物は思ったとおりに動かないのさ、だからこそ人間なのさと嘯くレナードのしたり顔が目に浮かぶようだった。 本作ではレナードは熱心に南米で行われている虐殺についてルーシーの言葉、そしてCIAのウォリー・スケイルズの口を借りて述べている。また登場人物の1人に「ベトナム戦争に行った事ない奴が口出すんじゃねぇ」と云わせ、ベトナム戦争がアメリカに落とした影についてもそれとなく仄めかしている。レナードの南国の太陽を思わせる雰囲気の中に戦争の悲惨さという暗いテーマが眠っているのもこの作品の特徴だ。 しかし、この作品、レナードの先の読めない展開が悪い側に出たという印象は拭えない。本作のプロットが判明する100ページ辺りまでの面白さから、「これは!」と期待するところがあったのだが、それ以降の展開が実にのらりくらりとしており、なかなか強奪計画の全容が見えてこない。実際最後の380ページ当たりになって始めてシミュレーションが行われるくらいだから、レナードはそこに重きを置いていないのだろう。 でも逆にこれが私には不満で、まるで皮が美味しいのに中身がスカスカの饅頭を食べているかのような印象が残った。 タイトルのバンディッツも結局ほとんど機能しなかったし、やはりちょっと物足りないと思うのである。

Posted by ブクログ

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