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国を思うて何が悪い 一自由主義者の憤慨録 カッパ・ホームス
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 光文社 |
| 発売年月日 | 1987/05/31 |
| JAN | 9784334051389 |
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国を思うて何が悪い
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国を思うて何が悪い
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申し訳ないが、阿川弘之については、ただ1987年に『国を思うて何が悪い: 一自由主義者の憤慨録』という本を書いた人物、という程度しか知らない。何か変だな(滑稽だな)と感じるのは、「国を思うこと」は悪いことではないのに、なぜか阿川弘之は「国を思うて何が悪い」と開き直っていること。怖...
申し訳ないが、阿川弘之については、ただ1987年に『国を思うて何が悪い: 一自由主義者の憤慨録』という本を書いた人物、という程度しか知らない。何か変だな(滑稽だな)と感じるのは、「国を思うこと」は悪いことではないのに、なぜか阿川弘之は「国を思うて何が悪い」と開き直っていること。怖いGHQの言論統制の時代は遥か遠くに去ったし、また自分の余命も残り少なくなったし、ここら辺でそろそろ、日本のバブル経済の狂騒の勢いに乗って威勢よく言いたいことを言っておこうか、というところだろう。案外阿川氏は気の小さい人なんだなと思う。 ところで、大久保典夫氏が『現代文學と故郷喪失』という超マイナーな本で、阿川弘之氏の「舷燈」について書いている。 大久保氏については、叔父(団塊世代、2024年逝去)からもらった『転位と終末』(明治大学出版研究会、1971)を読んで存在を知った。大久保氏は、他に『革命的ロマン主義者の群れ――殉教と背教の美学』(三省堂新書、1972)という興味深い本も書いている。 さて『現代文學と故郷喪失』の「Ⅲ 現代の作家 素描」において、大久保氏は「阿川弘之・海軍好きだが”自己省察”も」と題して次のように述べる。 <阿川弘之元海軍中尉殿。あなたが山本五十六司令長官戦死の地であるブーゲンビル島に渡り、長官乗機一式陸攻の残骸を持ち帰った話をテレビで視聴しました。(略)あなたが大へんな思いをして、原住民を案内人に雇い密林の中をながいこと歩きづめに歩いて見つけたのですから、そうでないものをそうだと言ったとて、長官の霊もお許し下さるに違いありません。(略)あなたが伝記小説「山本五十六」を書いて、長官最期の場所を確認したくなった純粋な気持はよくわかります。「舷燈」という復員後現在に至るまでの家庭生活をあけすけに描いたあなたの自伝と思しい小説を読むと、あなたが骨の髄まで海軍精神に侵された、ヤマイこうもうの”戦中派”なのはよくわかります。> というふうに、ほとんど好意的とも受取れる書き出しで始まるが、それに続けて、次のようにトーンが変っていく。 <しかし、自分の一生は復員の日をもって終ったと言いながら、死んでいった戦友をメシのタネに原稿料を稼いでいる点について、あなたが業の深さを少しも感じていないらしいのは、作家として少し感受性が片寄っているのではないでしようか。> さらに大久保氏はこう続ける。 <あなたが「山本五十六」を書いて新潮社文学賞をもらい数十万部のベストセラーになって大儲けしたから、そのうちのいくらかを寄付でもしたら、と言っているわけではありません。昨年5月「群像」に発表され話題を呼んだ312枚の力作「舷燈」は粗暴でわがままで、甘ったれの善良そのものと言っていいあなたが実によくわかる小説ですが、決して優れた作品ではないのです。主人公の独善的なエゴイストぶりが(つまり亭主関白ぶりが)あなたの師匠の志賀直哉に似ていると言い最近まれに見る爽快な小説だなど推奨する人もいますが、もちろんジョーダンなので、ここには志賀直哉にあった厳しさがまったくありません。どうせ”死にぞこない”だから、なるようになれというのが”戦中派”なんだとあなたは言うでしようが、わたしの言う意味は、文学的言えば”厳密さへの志向”のことで、あなたの小説にそれを求めるとすれば、純粋に自分のためにだけ書かれた最初の長編「春の城」だけでしよう。> なるほどと思うが、手厳しい評言である。 お終い
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