国の個性 アメリカも日本も、「国の個性」に生きよう、世界の国々もみな。

木内信胤(著者)

• 販売会社／発売会社: プレジデント社
• 発売年月日: 1986/12/20
• JAN: 9784833412803

商品レビュー

2015/06/21

国の在り方、経済の在り方、政治の在り方、国民の生き方、様々なものを木内さんは俯瞰的な目線で捉えられている。
この論説の舞台は高度経済成長期の日本であるが、数々の提言は未だに有効なものばかりである。
何故ならば常に場当たり的で、本質を変えようとしなかった政府がずっと続いているからに他ならない。
個々人がこう生きたいと追求するように、国家も何らかのビジョンを持ち個を追求しなければならないとする木内先生のご意見にはただ納得させられるばかりである。
今後も、恐らく私は折を見て、この力のこもった提言集を読み直すことになるだろう。

以下著者あとがきより。
「ドイツが目覚しく復興していることは誰も知っているが、或る人に教わったところによると、それはただ生産が殖えたり消費水準が上がったりしているのではない。
ドイツ政府は明らかに、新しいドイツをどういうふうな国にしようという理想を意識してやっている。
そしてその理想は、新しいドイツを中産階級の国にするということだ、とその人は教えてくれた。
そしてその人によれば、その中産とは単に財産や儲けの大きさが中位だということではなくて、
どういう家にすみ、どういう楽しみを楽しみとする人々、
つまり人間としてどんなタイプの人間、ということがおおよそ考えられているというのだが、
果して然りとすれば、それこそ『国の個性』に目覚めた行き方ということが出来よう。
そしてそうなればこそあのように力強い復興が出来るのだ、と想像することも出来て来るのである。」