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近代科学を超えて 講談社学術文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1986/11/10 |
JAN | 9784061587649 |
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近代科学を超えて
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近代科学を超えて
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商品レビュー
4
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クーンのパラダイム論…
クーンのパラダイム論を踏まえた科学理論発展の構造を分析。科学が進むべき方向がわかる。
文庫OFF
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1986年刊行(初出1970~73年)。著者は国際基督教大学教授。還元主義・物理学帝国主義、科学の「即事実性」という近代科学を貫く基本理念の再考と修正を意図し、さらには、西洋近代科学の限界を踏まえた未来像を併せて解読しようとするもの。結論そのもの、つまり還元主義のみならず要素の統合・総合の重要性、科学理論は事実から直ちに導かれるわけではなく、事実を分析・解釈する人間側の判断枠組に影響される点も同感。ただ、後者につき、観測事実の増大化が、判断枠組みを超えて事実の範囲の限定化につながる点を等閑視している感。 観測事実が増大すれば、判断枠組みを如何様に設定しようとも、観測事実と齟齬を生じる事実を前提とすることはできない。ケプラーが惑星の楕円軌道論を導出できたのは、火星の公転に関するデータを他者以上に多数参照できたことが大きいのではないか、との疑問も。これは21世紀に益々顕著な傾向であるところ。勿論著者の結論に全く異論はないが、事実(特に多数集積した観測事実の影響)を軽視しているようにも読める論の運び方には疑義、
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トーマス・クーンの範型(パラダイム)などの概念も援用しつつ、科学を基礎づける思考の枠組みについて考察している。 西欧近代科学は、事実至上主義であり、実験、観察等を踏まえた事実の積み上げから理論の枠組みを作ったように考えられているところがあるが、事実そのものも、ある一定の思考の枠...
トーマス・クーンの範型(パラダイム)などの概念も援用しつつ、科学を基礎づける思考の枠組みについて考察している。 西欧近代科学は、事実至上主義であり、実験、観察等を踏まえた事実の積み上げから理論の枠組みを作ったように考えられているところがあるが、事実そのものも、ある一定の思考の枠組みから対象として認識された産物であり、実態はまず思考の枠組みがあり、そしてこれを裏付ける事実の観察と進んでいく。 天動説から地動説へと大きく舵を切ったコペルニクスについても、例えばプトレマイオスやティコ・ブラーエのような優れた観測者というわけではなかった。彼は、新しい近代的概念を開発したというより、ギリシャ時代の考え方に戻って天体の動きを再検討し、地動説に辿りついたというのが実態であった。 現在、科学は行き詰っており、東洋的思考の再評価などが叫ばれたりもしているが、人間の科学という見地に立って、単純な範型の置き換えではなく、さらに現在の科学を発展させていくことこそ求められていることではないか、と訴えている。 この本は、多くは1970年代に書かれた論考を集めて構成されたものである。「超えて」という表現、「・・・ではないか。」というまとめ方、あるいはヒューマニズム的な考え方に当時の時代的背景なども窺われた。
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