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函館駅殺人事件 長編推理小説 カッパ・ノベルス
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 1986/09/25 |
JAN | 9784334026660 |
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函館駅殺人事件
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老人を轢き殺した罪で服役していた気鋭のカメラマン金井。ハメられた犯行であることに気付き、企てた後輩カメラマンの松本を出所後早々に刺殺し、郷里である函館に逃亡する。 交際相手の藤村マリ子は、服役中も面会を続け、献身的に金井をサポートしていた。松本刺殺後も、一緒に逃亡すると告げ、彼女もまた函館に向かう。 捜査を担当する十津川警部は、亀井刑事を連れ立って函館に飛んだ。 一方、函館駅ではコインロッカーを使った薬物取引が横行し、駅員たちは苦慮していた。そんな中、受け子を狙った狙撃事件が発生する。 函館駅を中心に、関連性のないと思われていた二つの事件が、それぞれ同じ方向に進んで行った。 ◇◆-------------------------------◆◇ 昭和61年(1986年)が初版ですので、彼是40年近く前の作品なんですね。 当時を振り返れば、スマホどころか携帯電話すら無い時代。ようやくポケベルが動き始めた時代背景。本作でも、連絡手段は固定電話か公衆電話。当の時代を知らない読者が現時点で初読したのであれば、違和感と言うかイメージが出来ないですよね。つーか出来るわけがない(笑) 青函連絡船も然り。そもそも青函連絡船は廃止されましたが、フェリーは今も現役で就航しています。北海道に向かうのに、海路が主であったことなど、今となっては思い出話。フェリーを使いわざわざ時間を掛けて北海道に行こうなんて、車で渡道する人以外では、今の世中ではそうそうないでしょうね。 連絡船ではなく、あくまでもフェリーとしてです。連絡船は、鉄道旅客のひとつで、主に人や貨物(列車も積載可能)を運ぶ移動手段。一方、フェリーは車両を運搬することが主であり、青函連絡船就航時より並行して運用されていました。 なので、厳密に言えば船での移動が出来なくなったわけではないのですが、アクセスの良さを考えれば、選択肢としての順列は高いとは言えません。 本作は、西村先生の代名詞でもある時刻表トリックは出てきません。旅情ミステリの趣が強い作品となっています。 明け方に発着する青函連絡船を描く場面や、函館駅の運営に関わる鉄道マンの姿などは、まさに旅情を掻き立てるシーンではないでしょうか。 ストーリーも、現代のロジックにこだわり複雑多岐な推理の流れではありませんが、フーダニットが最後に向けて二転、三転としていく進行は、西村先生の上手さたるところと言えるでしょう。 一般人を的にするヒットマンの登場や、真犯人が最終盤に登場するなど、やや十戒破りな面もありますが、連綿で無きにしも非ずでギリオーケーと思います。 今回あらためて読んでみますと、意外な名作なのではと思ってしまうほどの佳作だと感じました。
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